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高橋洋一、岸博幸、原英史…加計問題を「岩盤規制突破」と正当化する安倍応援団が裏で“特区コンサル”企業に協力していた

 竹中氏もまた、同社の会社案内にシンポジウムで講演会をおこなう模様が写真付きで紹介されている。竹中氏については、既報の通り【https://lite-ra.com/2017/06/post-3229.html】、自身が取締役会長を務めるパソナグループが、国家戦略特区が認定した神奈川県の家事支援外国人受入事業の事業者に選ばれているほか、兵庫県養父市の農業改革でも、竹中氏が社外取締役を務めるオリックスの子会社・オリックス農業が参入。これは明白な利益誘導だが、特区BC社の講演会で利益を得ていたとなれば、特区を決定する民間議員としてあり得ない問題だ。

 いや、特区BC社の「広報・PR活動」に一役買っていた国家戦略特区の関係者は竹中氏だけではない。会社案内には、国家戦略特区WGの委員であり、先月10日・24日に開かれた閉会中審査にも参考人として答弁をおこなった原英史氏の名前も出てくるからだ。

 特区BC社の会社案内では、前述した〈各種メディア・媒体活用〉の例として、原氏が「SAPIO」(小学館)で2014年9月から15年4月まで連載していた『おバカ規制の責任者出てこい! 改革の現場を「歩く・見る・聞く」』のページが貼られている。この連載は、原氏が国家戦略特区などの規制改革の具体例を紹介するものだったが、これも特区ビジネスをおこなう特区BC社の〈媒体活用〉例だったわけだ。

 しかも、この原氏は「株式会社政策工房」なる政策コンサルティングの会社の代表取締役社長を務めているのだが、代表取締役会長は前述の高橋洋一氏だ。特区認定の決定プロセスにかかわるWG委員が、国家戦略特区の提案や広報をサポートする会社で「PR活動」の要員となっていたこともさることながら、その原氏とともに会社を経営する高橋氏が、顧問という要職に就いていた──。高橋氏は特区のステークホルダーといえるが、その高橋氏と会社を一緒に経営する原氏がWG委員を務めていたという事実は、竹中氏と同じく、特区選定の場で利益誘導がおこなわれていたのではないかという疑念も浮かんでくる。

 そして、この原氏もまた、加計学園問題では「岩盤規制」を強弁してきた。現に、参考人として国会に招致された際には、獣医学部の定員抑制を「あまたの岩盤規制のなかでも、かなり異様な規制」と断言。加計学園は石破4条件をクリアしているとし、「ワーキンググループでは、この問題を何度も議論してきた。新規参入を一切禁止する合理的な根拠を求めてきたが、十分な説明がなされなかった」「(WGでは)判断に至る議論の過程については公開しており、中立性、公平性についても担保している」と強調してきた。

 その主張は高橋氏や岸氏と同じものだが、なかでも原氏は安倍首相擁護派のネトウヨから「天才」「切り札」と崇められ、いまや加戸守行・前愛媛県知事とともに「なぜ原氏の答弁をテレビや新聞は取り上げない!」と“偏向報道”の拠りどころとなっている。

 しかし、現実はどうだ。結局、岩盤規制だと先頭に立って主張してきた者は、こうやって民間の特区ビジネスにかかわり、国家戦略特区という仕組みを利用していたのだ。

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