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安倍首相の嘘は「1月20日に知った」だけじゃない! 官邸の記録を破棄して首相秘書官と今治市担当者の面会疑惑を隠ぺい

 現に、山本幸三地方創生相は、加計学園と京都産業大学の提案書を比較検討した上で「熟度が高い」今治に決めたと主張するが、同時に「議事録はない」と答弁している。このような重要な議論の議事録が残されていない状態を、世間ではけっして「オープン」とは呼ばない。

 しかも、山本地方創生相は、京都産業大学が新設断念にいたった決定打である「2018年4月開学」という条件が「加計ありき」だったことを、昨日の答弁のなかで自ら語ってしまっている。

 昨年11月に行ったパブリックコメントにおいては、学部新設の時期を2018年度とすることに対し、「準備期間が非常に短期間。特定の案件に絞り込んだ恣意的な期間設定」などといった疑義を呈する意見が寄せられていた。そうした意見を認識していたかと共産党の宮本徹議員が質問すると、山本地方創生相は「大方の内容は概略聞いている。そういう話があったとも聞いている。しかし、それでもって加計学園ありきでやるわけではない。必ず公募をやるわけだから、その公募によって決まる」と答弁したのだ。

 山本地方創生相は“特定の事業者しか手を挙げられない恣意的な期間設定”であることを知りながら、内閣府として事業者公募の際、2018年4月開学を条件として打ち出した。ようするに、確信犯で出来レースを仕掛けていたことを認めたのである。

 さらに、今日の審議でも山本地方創生相は、とんでもない発言をしている。今治市が開示した資料では、公募によって事業者に選ばれる以前に、資料では黒塗りとなっている「事業候補者」が、獣医学部建設予定地への電力供給に必要な申込書の提出を今治市に対して求めていたことが判明しており、こうした動きについて民進党の櫻井充議員は「加計ありきではないのか」と安倍首相に質問した。しかし、ここで山本地方創生相が立ち上がり、「そういう細かいことを総理にお尋ねしても無理だと思います」と言って答弁を行ったのだ。

 加計ありきを示す重要な事実を「細かいこと」などと呼ぶ。この発言には、自民党の山本一太予算委員長も「表現には十分注意していただきたい」と注意を行ったが、山本地方創生相がこうしたなりふり構わない態度を取っていることに、安倍首相は何一つ苦言も呈さない。いや、それどころか、昨日の審議では、安倍首相自身の記憶について質問されている場面で山本地方創生相を指差し、代わりに答弁をさせていたほどだ。

 健気なフリをしても、都合が悪くなると手下に答弁させ、誰にでもわかる嘘をつき、いますぐやれる調査も行わない。口調だけ丁寧にしただけで、安倍首相の態度は何も変わらない。──憲法53条に定められた臨時国会開催を要求されながら、自民党はいまだに召集せずにいるが、日報問題含め、こんな審議で国民が納得するはずはないだろう。

最終更新:2017.12.06 04:15

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