漫画家のカネコアツシ氏も同様に、社会からのはみだし者だからこそ良質な表現を生み出せるアーティストの立場への矜持を高らかに語る。
〈何が共謀罪だ。
今後も俺は常に良からぬ事を思考し、不道徳で反社会的反体制的なマンガを描き続ける事をここに宣言するからな。〉
ミュージシャンのSKY-HI氏は「治安維持法の再来」を危惧するツイートをリツイートしながら、それは大げさな話などではないと警告した。
〈規模の大きな話に聞こえるかもしれないけど、「そんな漫画みたいな事が出来てしまう」「する事でメリットがある人がいるとは考えられる」って時点で相当危ないわけで さすがに疲れ果ててもう寝るけど、起きたら採決されてるのかい…〉
小説家の中沢けい氏は、一昨年前の安保法制時に行った安倍政権の横暴なやり方を振り返りつつ、現状はさらに悪化していると綴る。
〈「ふざけるな」は一昨年通り過ぎて今は「ふざけてる」〉
しかし、安倍政権は、度重なるスキャンダルに強行採決の連発と、これだけひどい状況が続いているのにも関わらず、支持率は微減程度の傷しか受けていない。これに対し、タレントの松尾貴史氏は有権者の再考を促した。
〈自公政権の、悪辣さというか卑劣さというか狡猾さというか下品さというか姑息さというか。支持している半分近い国民も目を覚まさないと酷いことになる。いや、なってしまった。
「他に支持するところがない」というのは自死に向かう思考停止だ。強力な悪人と微力な凡人を比べて前者を選ぶという愚か。〉
脳科学者の茂木健一郎氏は、治安維持法の復活という戦後日本の法体系を根底から覆すような状況が起きてしまったことに絶望する。
〈しかし、日本の刑法学者たちは、今回のこの「共謀罪」をこれから実定法として教えていかなければならないのかと思うと、お気の毒で仕方がない。従来の刑法を基に築き上げてきた美しい解釈体系は、粉々に壊れてしまった。〉
ライターの武田砂鉄氏は、他の人たちとは少し視点を変え、共謀罪に賛成、容認した人々の問題点に言及した。
〈松本人志氏が『ワイドナショー』で、共謀罪について「僕はもう、正直言うと、いいんじゃないかなと思っている」と賛成の姿勢を示し、「(共謀罪によって)冤罪も多少はそういうことがあるのかもしれないですけど……」と、冤罪の発生を半ば容認したことを覚えておこう。〉
〈それにしても「共謀罪は自分には関係ない」という人は、自分とは関係がない誰かに影響が及ぶ可能性をなんとも思わないのだろうか。冷たい人たちだな、と思ってしまう。〉