共謀罪は平成の治安維持法──。それを安倍首相は「テロ対策だ」と言い張って誤魔化してきた。この法案では頻発している自爆テロにも対処できないというのに、である。
そして、たったいまも、国会前で抗議する市民たちを、公安関係者と思しき者が監視の目を光らせている。共謀罪が成立し施行されれば、こうした政権の暴走におかしいと抗議する市民の当然の権利さえ脅かされることになるだろう。これは立派な憲法違反だ。
さらに、審議不十分なこの法案を、きょう、あまりにも強引な手段で採決してしまおうとしているのは、加計学園問題の追及から逃れるための保身からだというのだから、醜いにも程がある。つまり、安倍首相の考えはこうだ。自分の疑惑をうやむやにするために、共謀罪をさっさと強行採決して、国会を閉幕してしまえばいいじゃないか──。お友だちへ便宜を図るだけでなく、安倍首相は国会運営さえも「私物化」しているのである。
こんな恐ろしい法案を、こんな身勝手な理由で無理やり通すことなど、絶対に許すことはできない。数の力でどうにかしようとする独裁政権に対して、野党は徹底的に抗戦するべきだし、実際に懸命の抵抗がたったいまも繰り広げられている。そして、いま、国会前に集う人びとのように、この安倍政権の暴挙を黙認したりせず、怒りをかたちにしつづけていかなければならないだろう。
(編集部)
最終更新:2017.06.14 09:54