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退位法成立も女性宮家問題は無視! 安倍首相“女性天皇反対”の背景に極右オカルト思想、首相ブレーンは「神武天皇のY染色体を…」と

 安倍は下野時、「文藝春秋」2012年2月号で〈皇室の伝統と断絶した「女系天皇」には、明確に反対である〉と鼻息を荒くしていた。その主張は「万世一系」の天皇を中心とした「万邦無比の国体」を思わせる、典型的な皇国史観の開陳であった。

〈(前略)女性宮家を認めることは、これまで百二十五代続いてきた皇位継承の伝統を根底から覆しかねないのである。
 いうまでもないことだが、二千年以上にわたって連綿と続いてきた皇室の歴史は、世界に比類のないものである。そして皇位はすべて「男系」によって継承されてきた。その重みを認識するところからまず議論をスタートさせなければならない。
 仮に女性宮家を認め、そこに生まれたお子様に皇位継承権を認めた場合、それは「女系」となり、これまでの天皇制の歴史とはまったく異質になってしまうのである。男児が生まれたとしても、それは天皇系の血筋ではなく、女性宮と結婚した男性の血統、ということになるからだ。〉

 さらに安倍は、〈ひたすら国民の安寧を祈ってきた天皇を軸として、我々日本人は美しい国をつくりあげてきたのである〉として、ほとんど立憲民主制を否定するような発言までしている。

〈二千年以上以上の歴史を持つ皇室と、たかだか六十年あまりの歴史しかもたない憲法や、移ろいやすい世論を、同断に論じることはナンセンスでしかない。〉

 言うまでもないが、天皇の地位は憲法で定めるところにあり、第1条で《この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く》とあるように、主権者たる国民を上位に置いている。“憲法や世論なんぞと皇室を比べるな!”と凄むような人間がいま、民主主義国家の首相を務めていること自体が異常と言わざるをえまい。

 とはいえ、こうした発言は安倍のオリジナルではないだろう。実際、安倍の女系天皇・女性宮家批判は、日本会議やそれに近い人士らの「反対論」とほぼ同じと言っていい。たとえば、安倍首相の“ブレーン”である八木秀次麗澤大学教授は〈私は安倍さんに男系継承について、レクチャーした経験もあり、安倍さんは私と同じ考えをお持ちであると思います〉と明言したうえで〈男系継承は、天皇陛下の権威の源です〉と語っている(「文藝春秋」2013年3月号)。

 また、日本会議国会議員懇談会は5月23日の勉強会で強い反対を示した。出席者からは付帯決議に女性宮家を盛り込むことについて「断固粉砕すべきだ」との発言まで飛び出した(朝日新聞5月23日付)。

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