読売新聞2017年6月3日付朝刊より
読売が官邸リーク丸乗り批判に「批判は当たらない」と“菅語”で反論
前川喜平文科前次官が“出会い系バー通い”を報じて、満天下に“官邸の謀略丸乗り”という事実をさらした読売新聞。ネットはもちろん、あらゆる週刊誌、テレビのワイドショー、さらには野党や識者からも「読売の記事は官邸リーク」と指摘され、あまりのみっともなさにこのまま知らんぷりするのかと思っていたら、なんと、きょうの朝刊に「社会部長 原口隆則」名義でこんな題の反論を掲載した。
「次官時代の不適切な行動 報道すべき公共の関心事」
しかも、その内容たるや、噴飯物としか言いようのない代物だった。まず、反論はこう始まる。
〈学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題で記者会見した前川喜平・前文部科学事務次官(62)が、次官在職中に「出会い系バー」に出入りしていたことを報じた読売新聞の記事に対し、不公正な報道であるかのような批判が出ている。(略)しかし、こうした批判は全く当たらない。〉
〈批判は全く当たらない〉って、官邸リークに乗りすぎて菅義偉官房長官が憑依したのかとツッコミたくなる語り口だが、読売の反論はその後も菅官房長官そっくりだった。こんな中身のない前川氏の個人攻撃を延々強弁し続けたのである。
〈本紙は独自の取材で、前川氏が売春や援助交際の交渉の場となっている「出会い系バー」に頻繁に出入りしていることをつかみ、裏付け取材を行った。〉
〈前川氏は文部科学審議官だった約2年前から次官在職中にかけて、買春を目的とするような客が集まる店に足しげく通っていたのである。〉
前川氏本人、さらには菅官房長官までが“杉田和博官房副長官が掴んだ情報”であることを認めているのに、いまさら「独自の取材で」などと強弁していったい誰が信じるのか。しかも、売春、買春と喚いているから、新たな証言でも取材してとってきたのかと思いきや、どこまで読んでも1行たりとも具体的な裏付けや新事実は出てこない。よくもまあ、これで堂々と反論などが書けたものである。