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実名告発ツブされても新証拠が次々…安倍政権は加計学園に利権を独占させるためこんな露骨な手口を

 対して、岡山理科大(加計学園)の提出資料は、たったの2枚。挙げ句、「MERS」(中東呼吸器症候群)を「MARS」(火星)と記載するという間違いまで見つかっている。本気で獣医学部の新設を目指しているのなら念には念を入れて何度も確認するだろうに、あまりに杜撰な内容だ。

 しかも、京産大は岡山理科大とは違い、2006年に鳥インフルエンザ研究の第一人者である大槻公一教授をセンター長に迎えた「鳥インフルエンザ研究センター」を、さらに2010年には動物生命医科学科を設置するなど、すでに獣医師学部設置に向けて入念な“準備”と“実績”を重ねてきたのだ。

 国家戦略特区諮問会議では、2015年6月19日の時点ですでに獣医学部新設という規制緩和を行う理由を、“エボラその他いろいろな獣に由来した病気の研究者をつくるため”としている。同様に、安倍首相も3月13日の参院予算委員会で「鳥インフルエンザなどの人獣共通感染症が拡大する中、需要が高まっていることから獣医学部設置を特区のメニューとして追加した」と答弁している。

 もし、ほんとうに国家戦略特区に獣医学部新設をくわえた理由がそうしたものであるならば、どう考えても京産大に軍配があがるのが道理というものだろう。いや、京産大の場合は実績だけでなく、京都府に獣医師が不足しているという現実がある。現に2020年度の「獣医師の確保目標」では、京都府が32人に対し、愛媛県は0人となっているのである。

 だが、こうして明白に京産大が有利な状況にあるなかで、件の11月9日の特区諮問会議は、唐突に「広域的に獣医師系養成大学の存在しない地域に限り新設を可能とする」と決定。京都府の場合、すでに近隣の大阪府立大学が獣医師などを養成する「獣医学類」を設けており、京産大は一気に劣勢に追い込まれたのだ。

 さらに、同年12月22日には、山本幸三地方創生相と松野博一文科相、山本有二農水相の3大臣が「獣医学部新設は1校限り」というダメ押しの合意を行い、今年1月4日から内閣府は〈2018年度に開学することが確実に見込める事業者〉(毎日新聞愛媛版1月6日付記事より)の公募をスタート。このような条件で手を挙げられるのは加計学園のほかにいるはずがなく、同月20日に加計学園が事業者に決定したのだった。

 京産大側は『NEWS23』(TBS)の取材に対し、「平成30年度の開設は非常に厳しく、どこも手を挙げないのではないかと思った。加計学園はよく手を挙げたと思う」と回答しているが、むしろ、京産大外しのためにあれやこれやと条件が加えられていったと言うべきだ。

 その上、発覚した文書を見れば、内閣府は文科省に対し「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などとして「平成30年(2018年)4月開学を大前提」にしろと迫っている。しかも、昨年9月26日の時点ですでに「今治市分科会において有識者からのヒアリングを実施することも可能」「獣医学部新設を1校に限定するかは政治的判断である」とまで言及されているのだ。

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