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国連の慰安婦日韓合意見直し勧告に発狂する安倍政権とネトウヨの身勝手な論理! おかしいのは少女像撤去求める日本だ

首相官邸HP「総理の一日」より


ネトウヨが日韓合意見直し勧告に発狂、2年前に合意に反対していたくせに

 国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会が12日、慰安婦問題に関する2015年末の日韓合意について、合意の見直しを勧告した。元慰安婦に対する「補償や名誉回復、再発防止の保証などが十分ではない」として懸念を表明している。

 案の定、この報道に日本のネット右翼はブチギレ。こんな雄叫びをあげている。

〈国連が完全に狂ってる〉〈国連委員会の勧告なんていうのはどこの国も無視している。日本も無視して黙って拠出金を止めればいい〉〈トランプと組んで、国連脱退せよ!!〉〈日本は国民感情で韓国との国交断絶を望む!〉〈国連とやらはそんなに日本に戦争させたいのか?〉

 国際社会を顧みず「国連脱退」や「戦争」などとすぐに言い出す連中のファナティックぶりには毎度、呆れざるをえないが、こうしたネトウヨの反応の背景には、今月就任が決まった韓国新大統領の文在寅が、日韓合意の再交渉を主張してきたことも大きいのだろう。

 だが、考えてもみれば、そもそもネトウヨや右派たちは、15年末に安倍政権が慰安婦問題で朴槿恵前政権と合意を結んだ際、これに猛反発。〈詐欺師売国アベ!日本から出ていけ!〉〈国賊、安倍晋三は今すぐ死ね〉〈今日の件で支持をやめました。アベ政治を許さない〉などと怒り狂って“合意無効”を主張していた。

 ところが、合意から1年を迎えた16年末、韓国の市民団体が新たな少女像(「平和の碑」像)を設置したことが伝えられると、ネトウヨたちは一転、今度は「合意を守れ!」の大合唱。結局のところ、連中の目的は、いかにして日本の戦争犯罪の事実をかき消して、「韓国は黙ってろ!」と叫べるかに尽きるのだ。実に愚かである。

 しかし、この新たな少女像設置については、安倍政権も駐韓大使を引き揚げるなど、正気の沙汰とは思えない対応に出て、国内マスコミも散々煽りに煽った。結果、ネトウヨ以外の一般の日本国民までもが「約束を守らない韓国はけしからん」という誤った空気に染まってしまった。

 その意味においては、今回の国連委員会の勧告は、両国の慰安婦問題を今一度見直すいい機会になるだろう、とまずは言っておく。そのうえでわたしたちは、15年末の日韓合意がいかに不十分であったかを認識し、韓国市民による新たな少女像の設置に対して政府が「けしからん」といきり立つ道理などないことを、再確認する必要があるだろう。

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