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渡辺えり『バイキング』降板はなぜ? ネトウヨ化する番組で戦争反対を貫き弱者に寄り添う貴重なリベラル論客だったのに

フジテレビ公式HP


 先日、渡辺えりが3月いっぱいをもって『バイキング』(フジテレビ)の金曜レギュラーを卒業した。

 生討論スタイルを取り入れてから視聴率の好調が伝えられる同番組だが、そこでは安倍極右政権や前近代的な芸能界の既得権益を擁護し、大勢から外れた少数派や弱者を説教する、というネトウヨ芸人・小籔千豊に代表されるようなマッチョな保守オヤジ的発言が幅を利かせている。そんななかで、愚鈍なまでに一貫してリベラルな主張を展開してきたのが、女優であり劇作家である渡辺えりで、その存在は貴重なものだった。

 たとえば、2015年の安保法制に関する発言は大きな話題となった。この問題について国民的な議論が巻き起こっているのにも関わらず、それに対して「反対」の意見を言ってはならない空気がメディア上を支配していた時期に、MCの坂上忍は「(安保法案は)ぼく、大反対なんですね」と発言。その言動にスタジオ中が凍り付くなか、渡辺えりだけは坂上の発言を受けて毅然と安保反対の意見を述べたのだ。。

「わたしもそう思いますよ。武力には武力でやったら、ずーっと続くわけですから。それを止める勇気。ほんとに大変だけれども、止める勇気をもたなくてはいけないとわたしは思いますね」

 彼女が「戦争反対」を表明したのは、このときがはじめてのことではない。2003年、アメリカがイラク戦争を起こし、それに対して日本が「支持」を示したときには、いくつも直接的な行動を起こし、その戦争について反対の意思を鮮明に打ち出していた。

 そのうちのひとつが、反戦リーディング。これは、演劇人として、表現を通じリアルタイムで現在の状況に対する意見表明をできないかと考えたもので、台本は戦況に合わせて刻一刻と変化していくものだった。

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