カジノについても「ずっと怖いイメージ」と反対を主張。共演していたカジノ推進派の堀江貴文がカジノの誘致先として「沖縄推し」と発言すると、沖縄出身のりゅうちぇるはすぐさま「なんでよー!」と不満そうに抵抗。ホリエモンが沖縄にカジノができるメリットを語るも、「つくるとしたら、無人島、日本の無人島。本当に何かがあったときのこと考えても、何も迷惑をかけない。何もなかったところにポンと建てて、みんなが週末お休みをもらって船とかで行けるような距離感がいいな」と沖縄にカジノはいらないとブレることなく主張した。
外国人労働者がテーマの回で「日本的な職業は日本人がやるべき!」というアジェンダにも、坂上やブラマヨ吉田が「賛成」を主張するなか、りゅうちぇるはやはり「反対」。「なんか、普通にここにある中華料理店とかイタリア料理店も全然日本人がやってるし、普通においしいし。だから、そういうの(日本的な職業は日本人がやるべきというような考えは)古いと思う」とフラットに意見した。
この真っ当さ。しかしこうした差別や排除を拒否する、ごくごく当たり前の意見が、批判されるのがいまの世の中だ。当然ながら、りゅうちぇるも「お花畑」「甘い」「バカが思いつきで言ってるだけ」などと批判、炎上にさらされている。
たとえば、「竹島、半分こ」に対して「お花畑」「じゃあ、ぺこを半分こしてみろ」と批判されたのはもちろん、いじめ加害者の実名報道反対についても「甘い」「いじめの現実がわかっていない」などとかなり激しく批判され、それを報じたネットニュースでも「いじめの認識が甘かったようだ」などとまとめられていた。
しかし、本当にそうなのだろうか。りゅうちぇるの発言をあらためて丁寧に読み返してみると、いい子ぶってるわけでも、決してただの思いつきで言っているわけでもないことがわかる。
前述したように、りゅうちぇるの意見は、説教オヤジ・坂上や、『そこまで言って委員会』脳に染まったブラマヨ吉田と、ことごとく対立し、坂上・吉田に支配されるスタジオ全体の空気のなかでも孤立している。いじめ加害者実名報道問題のときなどは、スタジオ全体から激しく反論されていた。そうした空気になったとき、この番組に限らず、その反論に抗えず意見を変えてしまったり、あいまいに終わらせたり、黙ってしまうコメンテーターも多い。しかし、りゅうちぇるは違う。かなりキツい調子で反論されても、孤立しても、意見がブレることはない。しかも、一方的に自分の主張を繰り返すだけでなく、反対派に自分の意見が届くように角度を変えたり、枠組みをずらしたりしながら、さらに丁寧に再反論してみせるのだ。