自由民主党HPより
先日、本サイトでは、架空の神話である初代・神武天皇は実在した、なるトンデモイデオロギーが安倍政権に巣食っていることをお伝えしたが、ついに連中は、国会でも皇国史観丸出しの明治憲法復活を訴えだした。
17日の衆院憲法審査会で、自民党の安藤裕衆議院議員から、天皇の「生前退位」に関連してこんな発言が飛び出したのだ。
「本来皇室の地位は日本書紀における“天壌無窮の神勅”に由来するものであり、憲法が起草される遥か昔から存在するものです。(略)だからこそ、早急にいま改正すべきは憲法第2条であると主張したいと思います。皇室は憲法以前から存在をしており、我々が手を出せないところにあるからこそ、権威なのです」
唖然である。日本書紀の「天壌無窮の神勅」とは天照大神が孫の瓊瓊杵命に対して下した命令で、意味は「日本は私の子孫が王であるべき地で、皇孫のそなたが行って治めよ。皇位の盛えることは、まさに天地とともに永久だろう」というもの。“日本は万世一系の天皇をいただく神の国”という国体思想や皇国史観で重要視される記述で、明治憲法では第1条の「大日本帝国は万世一系の天皇之を統治す」の根拠とされた。
が、そもそも、前回の記事でも解説したように、日本書紀や古事記にある“古代天皇の系譜”は、ときの政治権力である朝廷がその支配の正当性を説くために編み出したフィクションだ。明治政府もそれにならい大衆支配のイデオロギーに利用したにすぎない。それを平成の国会、それも憲法審査会で自慢げに語り出すとは、安藤議員の脳ミソは完全に戦前そのものらしい。