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「左翼雑誌」と攻撃を受けても怯まなかった「通販生活」に感動! その反骨の歴史を改めて振り返る

 また商品販売を通して、様々な社会問題を訴えてもいる。
 
 たとえば沖縄の雇用問題に対しては「沖縄ビーグ敷き」を販売することで、中国に押されていたビーグ(い草)農家を蘇らせ、憲法9条に関しては戦争放棄を憲法で宣言している「コスタリカ」のコーヒー豆を販売することで「憲法9条を守りたい人は、コスタリカさんの豆でコーヒーを飲まないといけない」とブチあげる。それは〈商品に託して小売の主張を伝える〉ためだ。

 そして構築されたのが“商品を媒介にして小売の主張を展開する” “商品から社会を変える”という斎藤氏の“商売哲学”と“ジャーナリズム”の関係だった。

〈カタログという「小売店」がジャーナリズム化していけば、消費者への問題提起はとても大きい。商品を是々非々で批評・批判していくのが「商品ジャーナリズム」(たとえば『暮しの手帖』)なら、おのれが是とした商品の是とした理由を解説しながら販売していく方法を「小売ジャーナリズム」とよんでもかまわないのではないか。「販売する」は「報道する」に重なるのではないか。〉
〈私が小売ジャーナリズムに憧れるのは、それが小売の自己表現だからだ。それぞれの小売がそれぞれの自己表現(人間表現と言ってもいい)で競い合う。それぞれの自己表現が消費者における商品選択の標識になってく。そうなるといいなあ、と思う。〉

「小売ジャーナリズム」。それが斎藤氏が導き出した「通販生活」の基礎理念だった。

〈小売が憲法9条を考えて、なにがわるい〉

 こうした斎藤氏の考えや姿勢が、「通販生活」という雑誌の方針を決定付けている。政治を、社会を考え、平和や差別なき社会の実現こそが“暮し”をそして“消費者”を守ることになるのだ、と。

 本サイトはそんな「通販生活」の編集方針に大いに賛同し、今後も応援していきたいと思う。
(編集部)

最終更新:2017.11.12 02:08

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