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発達障害本を出版、栗原類が語った日本の学校でのいじめ体験…「5年間、僕はずっとサンドバッグだった」

「授業中やテストで手書きにこだわる文化が、発達障害児には大きな壁になっています。手書きが下手なら、キーボードのタイピングが速くなればいい。「字は下手だけどタイピングはすごく速いね」と褒められればいいのです。だけど日本の学校では手書きじゃないと許されない。そこが改善されると僕と同じような障害のある子どもにはよいのにと思います」

 栗原の母親・泉氏も同様の指摘をしている。

「教育現場への希望としては、結果の平等でなく、機会の平等を与えてほしいと切に思います。近眼の子が眼鏡をかけても文句を言われないのに、耳の聞こえが悪い子が補聴器をつけることが許されるのに、字を読んだり書いたりするのが苦手な子たちが、スマフォやタブレット端末を使うということを許してもらえないのは残念です」

 日本では、子育てや障がい者のサポートを社会全体で担うのではなく、自己責任と家族だけに押し付けるような風潮がどんどん強まっている。それどころか、「児童の2次障害は幼児期の愛着の形成に起因する」とし、“子どもを産んだら母親が傍にいて育てないと発達障害になる。だから仕事をせずに家にいろ”という科学的にはなんの根拠もない理論を振りかざす、「親学」なるトンデモ思想を信奉する人物が政権の中枢を担っている。

 必要なのは、母親だけに責任を押しつけ、社会から疎外することではなく、早期の発見と社会全体での理解とサポートだ。栗原が今回、出版した本からは、そのことがよくわかる。
(新田 樹)

最終更新:2017.11.12 02:35

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