防衛省・自衛隊公式サイトより
違憲の新安保関連法の強行成立から、1年が経った。安倍政権は、現在南スーダンでPKOに従事する自衛隊に対し、11月にも新安保法に基づいた「駆けつけ警護」の任務を新たに付与するとみられている。
「駆けつけ警護」とは、自衛隊が現地の武装勢力などから直接攻撃を受けなくとも、国連やNGO関係者が襲撃された際に現場に駆けつけて救助するというもので、武力の行使が法的に認められる。当然、武装勢力と交戦状態となるわけで、双方に死傷者が発生する可能性は極めて高い。戦後、直接的には人をひとりも殺さず、殺されることもなかった日本の自衛隊の歴史が、早ければ今年中にも塗り替えられようとしているのだ。
当の自衛隊員たちは今、何を思うのか。
「(自衛官の)誰かが犠牲になって死なないと、この法案がダメだったのか良かったかというのは、もう一回議題にあがることはないのかな」
ある現役自衛官の言葉だ。去る9月19日放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)が安保法成立から1年後の現実を特集し、現役自衛官にインタビューを敢行した。顔を隠し、声色は加工されているが、この現役自衛官の肉声は、安倍政権がいかに現場を無視して安保法を強行したかを物語っている。
「やっぱりイメージがわかないというか。僕らが(自衛隊に)入ったときの約束は、国民を守るためが一番」
「大規模災害で支援して、国民から『自衛隊さんありがとう』と言われるのが、いちばんモチベーションが上がるところなんですね」
「だけど駆けつけ警護とか、(対象が)日本の人でもないし日本の土地でもないし、何をしにわざわざ行くのか、と」