まったく姑息にも程があるが、そのうち自民党のシンパたちは「「子供たちを戦場に送るな」などとは書いていない!」と騒いで、本サイトの第一報を「デマ記事」認定するのだろうが、しかし消される前のページはすでに魚拓も取られている“事実”であることを、あらかじめ念押ししておきたい。
だいたい、「子供たちを戦場に送るな」を「安保関連法は廃止にすべき」と表現を差し替えただけでは、問題の本質は何も変わらない。戦争に反対したり、子どもを戦場に送り出す可能性がある法案に異議を唱えることは、現行憲法で保障された「表現の自由」であり、また、自民党が主張する《教育の政治的中立性》などに抵触するものではない。
しかし、木原議員は今朝、Twitterで〈「教師は中立性を保たないといけない」などと言った法的な根拠はあるのでしょうか〉と問われたことに対し、このように回答している。
〈・教育基本法 14条2
・義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法
・公職選挙法 137条 等が根拠となります。〉
たしかに、たとえば該当の教育基本法には《特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない》とある。だが、学校や教員が「子供たちを戦場に送るな」「安保関連法は廃止にすべき」と主張することは、これらが示す《政治的中立》に反する行為ではまったくない。戦争の可能性がある法案、憲法違反だという強い指摘もある法案の問題点を挙げることは党派的な議論ではないし、ましてや戦争に反対することを《特定のイデオロギー》と呼ぶことのほうが、よほどイデオロギッシュだろう。
そもそも、教育基本法は戦争の反省のもとにつくられたものである。もう二度と、教育によって子どもを戦場に送り出すような過ちは繰り返さない──。そうした決意を踏みにじって反対に「子供たちを戦場に送るな」と言わせないように監視すること、これこそが《政治的中立》に反する行為ではないのか。
というか、そもそも自民党と安倍政権は政治的中立なんて最初から考えていない。政治的中立の名の下に人権や平和を守れという教育を潰し、戦前の軍国教育を復活させたいだけなのだ。かけてもいいが、もし、教育勅語の完全復活を唱え、「国家のために命を投げ出せ」という学校や教師がいても、自民党は絶対にスルーするはずだ。
何度でも繰り返すが、「子供たちを戦場に送るな」というごく当然の主張さえ、自民党は《特定のイデオロギー》として監視対象にしようとしている。これは戦時体制と何ら変わらないものであり、「戦争反対」と口にすることさえ許さない態度をすでに自民党は露わにしているのだ。
……もうトチ狂っているとしか言葉が出てこないが、これが安倍政権の正体であり、まさに現在進行している現実なのである。
(編集部)
最終更新:2016.07.09 03:14