国際勝共連合 大学生遊説隊 UNITE公式サイトより
中盤戦に差し掛かった参院選の選挙運動だが、気になるのは、安倍自民党の選挙運動を支える極右・宗教団体の動きだ。
たとえば、改憲や歴史修正主義など安倍政権のタカ派路線を熱烈に支持する日本最大の右派団体「日本会議」は、参院選比例で自民党の山谷えり子元拉致担当相と阿達雅志氏を組織として推薦しているというが、水面下ではその正体を隠して他党のネガキャンにいそしんでいる。
〈いま、日本が危ない!! 民共一体化〉
〈共産党にむしばまれる民進党〉
〈目指す社会主義国は中国〉
参院選公示直前、新潟県内でこんな大見出しが打たれた“怪ビラ”が大量に配布された。地元紙に広告として折り込まれ、新潟だけでなく宮城、山形、福島の各県でも確認されたという。文言を見ての通り、露骨に野党共闘を攻撃するものだが、その下部には「日本の平和と自由と民主主義を守る会」なる、一見リベラルな市民団体風の名前が記載されていた。
しかしその正体は、バリバリの日本会議だった。
これを報じたしんぶん赤旗6月25日付によれば、“怪ビラ”の配布を代理店に依頼したのは日本会議新潟県本部理事長・佐藤日出夫氏。代理店の証言から判明したという。記事によると、選挙との関係を懸念する代理店に対し日本会議新潟本部の佐藤理事長は「選管に確認したから大丈夫」と説明していたというが、しかし、赤旗が選管などに取材したところ、佐藤理事長から事前の照会はなく、内容も確認していなかった。
ようするに、日本会議は「日本の平和と自由と民主主義を守る会」なる架空の市民団体をでっち上げ、代理店業者に嘘をつき、民進党と共産党を攻撃する怪ビラ攻撃を行っていたのだ。公職選挙法はともかくとしても、日本会議という本体をひた隠して一般の市民団体に見せかけたのは、連中のファナティックな極右思想や宗教の匂いを消し、有権者に警戒心を抱かせないためだろう。