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安倍自民党が赤字必至のリニア新幹線に30兆円投入を公約の怪! 裏に安倍首相のオトモダチと原発利権

 さらにリニア建設には、南アルプスの巨大トンネルによる大井川の水量減少、大量に発生する建設残土など、環境への影響も懸念されている。また、南アルプスには中央構造線などの断層があり、今後高い確率で起こるとされている巨大地震が発生した場合のリスクもある。

 採算のみならず、環境破壊や安全面でも疑問視されるリニア計画。にもかかわらず、安倍首相がこれだけ前のめりなのは、自分の“ブレーン”が計画の主導者だからだ。それは、JR東海の名誉会長・葛西敬之氏である。

 葛西名誉会長といえば、安倍首相をバックアップしてきた経済人による「四季の会」「さくらの会」の中心人物で、第一次安倍政権時代には国家公安委員や教育再生会議委員を歴任してきた。また、NHK会長人事をめぐっても、葛西氏が安倍首相に籾井勝人氏をゴリ押ししたとも言われており、安倍政権に大きな影響力をおよぼしている。

“お友だち”のご機嫌取りのために民間事業が“国策化”されてしまう──。二の句が継げない呆れた話だが、もっと恐ろしいのは、このリニア計画が原発再稼働と密接に関係していることだ。

 興味深い指摘がある。第58回JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞した『“悪夢の超特急”リニア中央新幹線』(旬報社)の著者・樫田秀樹氏は、「世界」(岩波書店)15年2月号で、このように語っている。

「リニアが原発からの電力を使うかどうかは、公式的にはJR東海は何とも言っていません。ただ、JR東海の実質的な最高経営者である葛西氏は繰り返し原発再稼働を求めていますし、実際、リニア実験線で使われる電力は、主に柏崎刈羽原発からの日本初の超高圧送電線によって送られてきました。リニアと原発はセットとの可能性は否定できない」

 この指摘通り、葛西氏は原発事故から間もない2011年5月24日の産経新聞でのインタビューで、「今日の原発は50年に亘る関係者の営々たる努力と数十兆円に上る設備投資の結晶であり、それを簡単に代替できる筈がない」「今回得られた教訓を生かして即応体制を強化しつつ、腹を据えてこれまで通り原子力を利用し続ける以外に日本の活路はない」と断言。JR東海グループの出版社が発行する月刊誌「Wedge」でも、同年6月20日発売の7月号で「それでも原発 動かすしかない」という特集を大々的に組み、原発再稼働の必要性を説いていた。

 参院選で自民党が圧勝すれば、社会保障は捨て置かれ、一方で堂々と公的資金をぶちこんでリニア計画は進んでいくはずだ。だが、その背景には原発再稼働の問題も絡んでいるということを覚えておかなくてはならないだろう。
(水井多賀子)

最終更新:2016.07.02 11:19

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