『キカタン日記 無名の大部屋女優からAV女王に駆け上った内気な女の子のリアルストーリー』
5月1日から20日にかけて浅草のロック座で引退公演を行い、それをもって表舞台から退くと発表されている人気AV女優の上原亜衣。キャリア通じての出演本数は800本を越え、どんな役でもこなしてきた彼女だったが、そんななかでも定評があったのが「痴女」の役である。
だが、実は彼女、デビュー当初は痴女の演技が苦手だったらしく、最近出版された彼女のフォトエッセイ集『キカタン日記 無名の大部屋女優からAV女王に駆け上った内気な女の子のリアルストーリー』(双葉社)には、こんなエピソードが綴られている。
〈私は当初、“痴女もの”が苦手でした。何が難しいって、特に“淫語”ですね。痴女にとって、イヤラしい言葉は必須で、
「こんなにオチ○チン硬くさせて〜。先っぽから我慢汁いっぱい出ちゃってるよ!?」
といったお姉さん系の囁きもあれば、
「おら! イケ! 出せよ、くっせえザーメン」
と、ヤンキー口調で罵るものも。さらに、ブリっ子口調やら、自分のアソコがどうなっているのかを実況中継するものやら……何種類もあるんです。
こうした淫語は、ほとんどがAV女優のアドリブ。台本には、そこまで詳しく書かれていないんです。だから、まずは淫らなボキャブラリーを増やすため、またレンタルビデオ店へ走って、その手の作品を20本以上レンタルしました。そして他の女優さんが使っている淫語を、ひと言も漏らさずノートにメモ。そのあとは、ノートを手に鏡の前で練習です(笑)。
笑い話ですが、当時、私が住んでいたマンションの下の階にいらっしゃった年配の女性の大家さんから、
「大丈夫? お仕事でストレス溜まっているんじゃないの?」
と言われたこともありましたね。毎晩のように、私の部屋から、
「恥ずかしくないの!? こんなになって!」
「早くイケよ! この野郎!」
なんて言葉が聞こえてくるから、心配されたんでしょう〉