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安倍首相が被災者より真っ先に「わが軍」自衛隊を激励! 小泉首相の中越地震視察でもなかった露骨行動に唖然

 当時の首相動静や首相官邸ホームページによれば、10月23日の地震発生の3日後の26日午前、小泉首相は羽田空港から出発。正午すぎに新潟空港に到着し、午後1時半頃には長岡市の高校に避難している山古志村の住民を見舞いって励ましの言葉などを送っている。そして午後2時前には当時の新潟県知事らから状況説明と陳情を受けてから小千谷市内の家屋倒壊現場を視察、続けて同市の避難所で被災者を激励。その後、上空からのヘリでの視察を行っている。自衛隊の拠点に向かって激励したなどという記録は見当たらないのだ。(ちなみに、小泉首相の被災地視察が発生3日後だったことについて、当時は「遅すぎる」との批判もあった)

 自衛隊員は国家公務員であり政府の指揮下にある、いわば政府側の“身内”だ。順序を考えると、避難している一般の被災者のもとを訪問した後、現地の行政状況を把握するため各自治体の首長や職員と意見交換するのが普通。自衛隊を訪ねるのは、やったとしても最後でいいはずだ。

 それを今回、安倍首相は、避難している多くの一般市民たちを差し置いて、身内である自衛隊員を励ましに行くのを優先したのだ。

 もちろん、このありえない視察スケジュールの背後には、安倍首相の強い希望があった。

 安保法制、そして改憲によって、自衛隊を「血を流すことのできる軍隊」に変えようとしている安倍首相にとって、震災は、自衛隊員の士気を高める一方、国民によいイメージを与える格好の機会だった。だから、被災者の状況を知り、その声に耳を傾けることよりも、まず、その政治的パフォーマンスを優先した。ただ、一番先に自衛隊に行くのは、さすがに露骨すぎるので、消防、警察を先に回るよう官邸がスケジュールを組んだのだろう。永田町ウォッチャーや官邸記者の間では、そういう分析がなされている。

 もちろん、この見方は外してはいないだろう。安保法制、改憲は、今回の行動の大きい動機になっているはずだ。だが、安倍首相の自衛隊激励には、もうひとつ、個人的な動機もありそうだ。

 安倍首相といえば、戦後歴代内閣きっての“自衛隊マニア”であり、自分がその“最高指揮官”であることへの陶酔感が尋常でないことはよく知られている。

 たとえば昨年3月の参院予算委員会の答弁で、安倍首相は自衛隊を「わが軍」と呼んだ。言うまでもなく、日本国憲法は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と規定しており、これを「軍」と表現するだけでも戦後70年の立憲主義を無視している。しかも、安倍首相の場合、「日本国の軍」とか「わが国の軍」ではなく、「わが軍」である。完全に、自衛隊を私物化したいと思っている独裁者の発想としか思えない。

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