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橋下徹がバラエティ復帰で“いい人”アピールするも、「保育園対策やっても、お母さん方は選挙に行かない」と切り捨て発言

 だが、それ以上にタチが悪かったのは、保育園問題についての物言いだ。

 番組では討論スタイルの構成だった第二部で、社会学者の古市憲寿氏が「保活っておかしくないですか?」と、保育園問題を俎上に載せたのだが、橋下氏はすかさず「これはホントそうですよ!」と言い、こう続けた。

「保育所というか子ども預ける場所どんどんつくっていかなきゃいけないんですけど、保育所ってもともと儲かる仕組みじゃないから、どっかで税金入れなきゃいけないじゃないですか。でも、税金を入れる対象っていうのがものすごく絞られてるんですよ」

 そして橋下氏は、税金を投入できるように保育園の認可基準を緩める必要がある、と主張したのだ。

 よくその口で言うな、という話だ。というのも橋下氏は、大阪市長時代に保育士の給与が〈民間と比べて物凄く高い〉(2012年11月12日の本人のツイッターより)と言い、保育士の給与を大幅に引き下げるプランを発表。保育士不足に拍車をかけるような政策をぶち上げてきた張本人だからだ。

 しかし最近では、今回の発言同様、あたかも保育園問題に理解のある“いい人”アピールに橋下氏は余念がない。実際、3月6日には、こうツイートしている。

〈保育士の資格要件を拡げるのと、ここは税金を突っ込んで給料を上げれば良いです。一般的な法人税減税に僕は賛成ですが特定企業への政策減税には反対。政策減税に1兆円以上の税金が使われています。それを保育士給料へ〉

 さすがは“西の安倍晋三”、すさまじい二枚舌である。だが、なぜ橋下氏は、いわく「私人」「民間人」になったいま、ここまで“いい人”偽装をしようとするのか──。それはもちろん、彼は「私人」でも「民間人」でもなく、いまも政界に足を突っこんでいるからだ。

 番組冒頭では、羽鳥氏が「立候補しないですよね? 何にとは言いませんけど」と質問すると、「それやったら、ホントもう、人間としてダメですよ(笑)。ないです」と、参院選出馬を否定した橋下氏。しかし、ご存じの通り、橋下氏は現在もおおさか維新の会の「法律政策顧問」というポストに就いている。以前も本サイトで指摘したが、これは名誉職でもなんでもなく、事実、橋下氏はおおさか維新の会の参院選に向けた公約や政策などを話しあう会議に参加したり、おおさか維新が擁立候補の発掘を目的で設立した「維新政治塾」にも出席している。つまり橋下氏は、「政界引退」どころか事実上の“オーナー”として、国政政党の“院政”を行っているのである。

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