NHK公式HP「NHKについて 会長あいさつ」より
高市早苗総務大臣の「国は放送局に対して電波停止できる」という言論弾圧、恫喝発言は未だに大きな波紋を呼んでいる。
池上彰は2月26日付朝日新聞コラムで「欧米の民主主義国家なら政権がひっくり返ってしまいかねない」と高市発言を批判し、同月29日には田原総一朗、岸井成格など6人の著名ジャーナリストたちが高市発言を強く批判する会見を行った。さらに3月2日には憲法学者らが会見を開き高市発言は憲法違反にあたると指摘、「政府批判をすることは偏向であり政治的だとされる風潮が広がる中での大臣の発言。言論にかかわる者は真剣に考えてほしい」と訴えている。
こうして言論人、学者たちが次々と声を上げる中、しかし渦中の“言論弾圧”高市大臣に深々と頭を下げたのが公共放送NHKトップの籾井勝人会長だ。この様子を写真に捉えた「フライデー」(講談社)3月18日号を見ると、籾井会長が平身低頭に頭をもたげ、それを高市大臣が嬉しそうに微笑んで見ている姿がばっちり写っている。
記事によれば2月23日、籾井会長は衆院総務委員会が開かれた部屋の前で、揉み手をしながら高市大臣にすり寄り、深々と頭を下げたという。まさか籾井会長にとって電波停止発言は“我が意を得たり”でお礼を言っているのかと見まがうほどの低頭ぶりだが、しかしその理由は籾井会長の失言だったという。
この日、籾井会長は総務委員会でNHK小会社の巨額土地取計画を追求され、「こういう大問題をみんなに対して私が“つんぼ桟敷”で進めることはない」と差別発言をし、そのことで高市大臣に直接謝罪をしたという。
言論機関トップの自覚すらないトンデモ発言だが、さらに問題なのは、それを野党から指摘されるや、なぜか野党ではなく自分たちを恫喝している高市大臣にすり寄りお詫びするという籾井会長の権力への迎合姿勢だ。