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世間の“ツイッター離れ”で幹部が次々と退職! でも創設前夜からCEOが嘔吐するほどの内紛、クーデターの連続だった!

 共同創業者のひとり、クリストファー・“ビズ”・ストーンは、2人の権力闘争の際、最後まで両方の肩を持とうとした。飛行機恐怖症だが人懐っこいビズは、ムードメーカーであり、仕事の面でも優秀で、社内闘争によって人間関係の崩壊していない唯一の共同創業者だ。彼は、3代目CEO着任のときを静かに見届け、そして会社を辞めた。

 “その発表”の45分前、エブはゴミ箱に吐いていた。それが2代目CEOとしての最後の仕事だった。取締役会のクーデター。裏で糸を引いたのは、秘密裏に決定された3代目CEO──“Twitterの真の発明者”“ジョブズの再来”“シリコンバレーのニュースター”。マスコミを使ったブランディングに成功したジャック・ドーシーが、再び頂点に返り咲いた瞬間だった。

 2人の軋轢の外枠をシンプルに説明すれば、“仕事の流儀の違い”である。金と権力のるつぼでは男同士の友情など容易く崩壊するという典型的な例であるように思えるだろう。だが、本質は別だ。2人は根本から異なっていた。“Twitterをどう見るか”という最も重要な部分において。

 最後にもうひとりだけ登場人物を紹介する必要がある。共同創業者は4人いると言った。ITオタクのノア・グラス。彼は、ジャックやビズよりも先に、エブの親友となり、ビジネスパートナーとなった人物だ。「Twitter」という名称を発案したのも彼である。

 Odeoに後のTwitter創業者たちが集結し、すこしばかりの歳月が経過したある日、ノアは、ジャックが「ステータス」という構想を口にするのを聞いた。パソコンに“今どうしているか”という現況(status)を表示させるというアイデアだった。ノアは大声を出した。「分かったぞ!」と。彼は辞書を開いた。そしてその単語を見つけ出した。

 [twitter] ──「特定の種類の鳥の小さなさえずり」「ふるえるような小さな声やくすくすと笑う声などの、似たような音も指す」。

 本書で描かれる「創業者」たちの逸話に、数億人のツイッターユーザーたちがリンクする。“それ”をどう見なし、どう使うか。なんのためのものなのか。

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