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出生届が出されない“戸籍のない子供”が急増! 原因はDVで子供は被害者なのに極右・稲田朋美が救済策ツブし

 ようするに、稲田氏は“戸籍制度を変更しようとする者たちは家族崩壊を目論んでいるから、無戸籍の子どもを救う必要はない”というふうに考えているのだろう。はっきり言ってカルト的思考回路だが、それもそのはずで、稲田氏は過去に、「伝統的家族観の復活」というお題目に固執して、なんとDVすら擁護しているのだ。

 ときはちょうど、無戸籍者の特例法案の議論のあった07年。「別冊正論」(産経新聞社)第7号で、稲田氏はこう鼻息を荒くしている。

「いまや「DV」といえばすべてが正当化される。DV=被害者=救済とインプットされて、それに少しでも疑いを挟むようなものは、無慈悲で人権感覚に乏しい人非人といわんばかりである。まさに、そこのけそこのけDV様のお通りだ、お犬さまのごとしである」
「DVという言葉が不当に独り歩きすれば、家族の崩壊を招きかねない」

 なお、『戸籍のない日本人』の著者である秋山氏は、稲田氏にも取材を申し込んだが、時間が取れないという理由で断られたという。

 結局、無戸籍問題の解消に難色を示し、抵抗していた自民党保守派というのは、安倍首相のとりまきだったわけである。彼らが標榜する「伝統的家族観の復活」というのは、実のところ男性が戸主となり一家を統率するという「家制度」のことを指している。これが排除するのは、憲法が保障しているはずの男女平等であり、あるいは「家制度」の名残である戸籍制度から法的に無視されている人々だ。極右政治家の偏執によって、マイノリティのなかのマイノリティである無戸籍者が、その存在を国から否定されていると言っていいだろう。

『戸籍のない日本人』で著者が取材をした無戸籍者のひとり、24歳の女性・クミさんは、16歳のとき母親から「ごめんな、修学旅行、行けへんねん」と言われ、自分に戸籍がないことを知ったという。外務省は特例でのパスポート発給の条件として、母親の前夫の性を名乗ることを挙げた。家族をいまだに苦しめる男の性を名乗らされるという苦痛。結局、クミさんは修学旅行を諦めざるをえなかった。クミさんは著者にこう語っている。

「一番の願いは、みんなと同じことがしたい。みんなは普通にパスポート取れるじゃないですか」

 国が、個人の幸福な人生を奪いとることなど、決してあってはならない。
(小杉みすず)

最終更新:2015.12.22 07:34

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