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社員に「北朝鮮人帰れ」の張り紙! ブラック企業大賞を攻撃した「アリさん引越社」はブラックどころかヘイト企業だった

 A 氏は、2014年から羽田支店の営業専任職に就いていたのだが、問題社員どころか、関東で売り上げ5位以内を2度、太田支店に合併後の12月には関東全社で1位を取るなど、優秀な成績をおさめていた。

 だが、今年1月、営業車で交通事故を起こした際に、会社側から48万円の弁償金を請求されたことに疑問を感じ、かねてより、同社の弁償金制度に抗議していた組合「プレカリアートユニオン」に加入。弁償金の返還や弁償金制度の廃止を求めて団体交渉を行った。すると、会社側は突如、A氏を営業部からアポイント部に配置転換させたのだ。

「SPA!」はA氏が「度重なる遅刻」や「営業車で起こした事故でも相手方に謝罪しないなど社会人としての配慮に欠けていた」ため、営業部からアポイント部に異動させたと書いていたが、これも完全な言いがかりだ。

A氏は営業職から外される1年以上前、1日12時間以上の労働を強いられた支店管理職時代に数回遅刻をしているが、今頃になって持ちだすような話ではない。その後も「度重なる」という頻度ではない。また、交通事故の際、「相手方に謝罪しなかった」のは、会社から被害者と直接会うことを止められていたためだった(どこの社でも、業務中の事故の場合は、担当者が交渉をする。社員個人に謝罪に行かせるということはしない)。

 さらに、アポイント部に異動後、A氏の「勤務態度が改善されなかったため」シュレッダー係に任命したというのも嘘だ。A氏はアポイント部に異動後も仕事を頑張り、1時間当たりのアポ獲得件数は部内で2位の成績を上げた。

 ところが、ある日、体調を崩して遅刻をすると、それを理由に、翌日からシュレッダー係への配転を命じられたのだという。これは1日中シュレッダー作業のみを行う係で、明らかな追い出し部屋。しかも、A氏は見せしめとして社員の中で一人だけオレンジ色の長袖シャツを着るよう命じられた。

 労働組合への加入を理由に配置転換をすることは、労働組合法違反だ。引越社は明らかに不当労働行為を行いながら、それを覆い隠すため、後付けの言いがかりをでっちあげ、「SPA!」はそれに丸乗りしたのだ。

 しかも、引越社の法律無視はこれだけではない。この不当な配転に対し、A氏は東京都労働委員会に不当労働行為救済申立てを行うとともに、東京地方裁判所に「配転無効」の訴えを起こしたのだが、会社はなんと、訴訟を起こしたことで懲戒解雇処分を通知した。

 この際、引越社はA氏の氏名と顔写真を大きく載せて、懲戒解雇したことを知らせる紙を全支店に貼り出し、全社員に送付。そこには、「罪状」というタイトルで解雇理由が書かれており、「懲戒解雇されたら、一生を棒にふることになりますよ。」と脅すような文言まで掲載されていた。

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