「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)11月14日号
いよいよここまで来たか──。フジテレビの2015年9月期中間連結決算が発表されたが、ついに開局以来初めて営業利益が赤字となったのだ。
この結果は冷静に考えれば「さもありなん」だろう。ドラマ、バラエティ、情報とすべてのジャンルで低視聴率続きだったフジが「背水の陣」で行った4月期の大改編はことごとく失敗。肝いりではじめた『直撃LIVE グッディ!』『みんなのニュース』はもちろん、新規バラエティも軒並み惨敗し、10月期改編番組も低空飛行。“何をやっても当たらない”という目も当てられない状態になっている。
そんななか、フジの末期的状況を物語るニュースが報じられた。それは今年、お台場のフジテレビ社屋の敷地内につくられた「テレビの泉」なる噴水をめぐる“疑惑”だ。
地球を思わせるシルバーの球体が中央に配された、一見、なんてことはない噴水。じつはこれがフジ社内で「亀山千広社長が風水にこだわって造らせた」と評判になっているらしい。
この話題を報じているのは、「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)11月14日号の特集「誰がテレビを殺すのか」。これはフジの構造的欠陥を追及した特集なのだが、そのなかで「社長がとうとう神頼みを始めた」として噴水問題が取り上げられているのだ。
噴水=風水疑惑の噂は建設当初から囁かれていた。「週刊ポスト」(小学館)6月5日号でも、フジ関係者が「“切羽詰まった亀山(千広)社長が風水か何かに影響されて、縁起担ぎで作らせたらしい”ともっぱらの噂」「“ウチはそこまでヤバいのか”とザワついています」と証言。数年前まで同じ場所に噴水があったものの、撤去するや否や視聴率が落ち込んだことから「噴水を復活させた」という“縁起担ぎ説”も紹介している。
風水に影響されたにせよ、縁起を担いだにせよ、こんな話で社内が持ちきりになるのは、亀山社長はじめ上層部に対する不信感が渦巻いている証拠だ。なかでも象徴的なのは、『孤独のグルメ』に関する、こんなエピソードだろう。
『孤独のグルメ』といえば、テレビ東京が2012年1月に同名マンガ作品を原作にドラマ化。主演・松重豊による食事シーンが最大の見せ場であるこのドラマは「深夜の夜食テロ」として瞬く間に評判に。現在は第5シーズンが放送中で、テレ東の人気シリーズへと成長した。