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パリのテロは日本も標的だった? 佐藤優も警告! 安倍政権と安保法制が国内にイスラム過激派テロを呼び寄せる

 中東を専門とする国際政治学者で、イスラム国人質事件の際の的確な分析・論評が注目を集めた内藤正典・同志社大学大学院教授も『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』(集英社新書)で、まず、軍事力の行使や誇示は、対テロ戦争には役にも立たないどころか、さらなる危険を引き寄せるだけだと指摘している。

〈日本にとっても、イスラム戦争は他人事でも、遠くの出来事でもありません。国内では安倍政権が集団的自衛権を容認し、その行使を主張しています。中東・イスラム世界で想定されるのは、アメリカが自国に対するテロの脅威があるという理由で集団的自衛権の行使を同盟国に呼びかけ、日本もそれに呼応して派兵するケースでしょう。東アジアでアメリカに守ってもらうのだから、中東で恩返しをしなくては──もしそのような発想があるならば、日本にとってだけでなく世界にとって途方もない危険をもたらすことになるのです〉
〈日本で集団的自衛権の行使が議論され、海外への派兵の条件を緩和しようとしているさなか、世界の方が変わってしまったことに注意を向けなければなりません。日本が憲法にしばられて、自衛隊の海外派兵を躊躇している間に、軍事力の行使ではおよそ問題が解決しない方向に変わっていたのです。
 特に、イスラム世界で起きている現在の混乱において、軍事力の行使は、紛争解決に貢献しません〉
〈非対称の戦争では、いったい、誰に向かって宣戦布告をし、誰が降伏文書に調印するというのでしょう。アルカイダを相手にしているときは、象徴的にビン・ラディンが宣戦布告の相手だったように見えます。しかしいまや、何人もの相手がいます。アルカイダのアイマン・ザワヒリも、タリバンのムッラー・オマルも、イスラム国のバグダーディもそうです。一人を殺害しても、また次が出てきます。しかも世界中から〉

 では、いったい日本はどういう道をとるべきなのか。内藤氏が挙げるのは〈フィリピン政府と南部ミンダナオ島などを拠点とするムスリムの武装組織であるモロ・イスラム解放戦線とが和平への包括的合意に達した〉例だ。

 2011年、両者の仲介を行ったのは日本政府で、JICA(国際協力機構)の緒方貞子氏やNGOが協力。〈少なくとも、武力とは無縁の国際協力が平和構築に有効であることを示しました〉という。

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