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南京虐殺世界遺産に抗議の自民党・原田委員長が荻上チキのラジオで「虐殺は捏造」と断言! ネトウヨのデマ信じる浅薄ぶり晒す

「まあ、あのー、表現にもよりますけどね。まあそれこそね、いまの時代だってですよ? あのー、事件の、殺害ということは行われてますからね。まあしかし、戦中のですね、一番難しいときですから。混乱したときだからね」

 戦争犯罪と現代の日本で起きている犯罪事件をいっしょにしてしまう無茶苦茶ぶり。普通は意味不明すぎて閉口してしまうが、しかし、荻上氏は根気よく質問を続ける。

「その場合の『混乱』とは個々人の兵士が勝手にやったということですか?」「『組織的ではない』というのは命令書があるなしの問題なのですか?」
「部隊による捕虜の殺害はどうでしょうか?」

 一方の原田氏は、「あのー、そのー、それはー」と言い淀み、苦し紛れに「厳格には申し上げませんけどね」「個別にはコメントできない」などと言って、質問から逃れるのが精一杯。しかし、それでも、「(虐殺は)全体的には捏造だったと思っているということですか?」と突きつけられると、「はい、そうそう。間違いなく捏造だと思ってます」と言い張ったのであった。

 まさに話せば話すほど、なんの根拠もないネトウヨ丸出しの強弁であることが明らかになってくるのだが、しかし、それも当然だろう。そもそも、原田氏率いる自民党の国際情報検討委員会は「国際情報検討委員会・日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会合同会議」なるものを開催して、「南京大虐殺」や慰安婦問題を検証しているのだが、そこに招聘したのが、トンデモ極右学者だったことが、やはり同番組で明らかになっているのだ。

 荻上氏が、これまでの委員会や勉強会に一体誰を呼んだのか、と追及したところ、当初、原田氏は具体的名前を出し渋っていたのだが、荻上氏が「先日会見では高橋史朗さんの名前が」と指摘すると、渋々、秘書に向かって「おい、ちょっと、高橋史朗がつくった報告書をもってこい。あんときに配ったろ」と、同会議に高橋氏を招聘したことを認めたのだ。

 高橋史朗・明星大学教授といえば、科学的根拠がないと散々指摘されている「親学」の第一人者。しかもこの報告書で参照されているのは、東中野修道・亜細亜大学教授の著書。東中野氏は「南京大虐殺はまったくなかった」論の急先鋒で、保守派の歴史学者でも実証性を重んじる秦郁彦氏などからも批判されている人物だ。ちなみに両者の専門分野は、高橋氏が日本教育史、東中野氏が日本思想史やドイツ史で、歴史学は専門でもなんでもない。

 もうお判りだろう。自民党はとにかく結論ありきで、虐殺否定派のトンデモ極右学者の言うがままに、なんの根拠もなく「南京大虐殺は捏造だ!」とがなっているのだ。そして、中国の政治利用を批判しながら、自分たちは露骨に世界記憶遺産の政治利用を図り、金を盾にして恫喝までしてみせる──。

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