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産経新聞「従軍慰安婦報道」のみっともない真実(2)

「韓国人慰安婦を強制連行」と書いたのは朝日でなく産経新聞だった! 植村記者に論破され阿比留記者が赤っ恥 

 まるで、急激に青ざめていく阿比留記者の顔色が見て取れるかのようだ。植村氏が示した産経新聞の記事には〈金さんが17歳の時、日本軍に強制的に連行され、中国の前線で、軍人の相手をする慰安婦として働かされた〉とハッキリそう書いてあった。これは金学順さんの記者会見での発言を元に書いたものだという。さらに、1993年8月31日付の産経新聞大阪本社版にはこんな記事も載っていた。

〈太平洋戦争が始まった1941(昭和16)年ごろ、金さんは日本軍の目を逃れるため、養父と義姉の3人で暮らしていた中国・北京で強制連行された。17歳の時だ。食堂で食事をしようとした3人に、長い刀を背負った日本人将校が近づいた。「お前たちは朝鮮人か。スパイだろう」。そう言って、まず養父を連行。金さんらを無理やり軍用トラックに押し込んで一晩中、車を走らせた〉。

 日本軍が暴力によって現地の人々を強制連行していく──まるで「吉田証言」のような話である。しつこいようだが、これは産経新聞の記事だ。

植村「これも強制連行ですね。両方主体が日本軍ですけど、それはどうですか」
阿比留「間違いですね」
植村「間違いですか? ふ~ん。これがもし間違いだったら、『朝日新聞との歴史戦は、今後も続くのだと感じた』って阿比留さんは書かれているんだけど、産経新聞の先輩記者と歴史戦をまずやるべきじゃないですか。原川さんどうですか」
原川「私、初めて見ましたので、どういう経緯でこうなったか、どこまで調べられるか。これちょっと日付をメモらせてもらって」
植村「いや、あげますよ。調べて、間違いだったらそれがどうなのか、どうするのかも含めて知らせてください。歴史戦というものは、もし歴史戦を皆さんがやっておられるんであれば、たぶん真実のためにやっておられると思うんです。皆さんがね。であれば、先ほど間違ったとおっしゃったことに対しても、謙虚に向かうべきだと思います」

 なんのことはない。「朝日は世界中に慰安婦に関する嘘をばら撒き、日本を貶めた」と批判している産経新聞こそが、「(金学順さんは)日本軍に強制連行された」とハッキリと報道していたのである。ちなみに、朝日には金学順さんに関して「強制連行」と書いた記事はひとつもない。なぜなら、第一報を書いた植村氏に、金さんが強制連行されたという認識がなかったからだ。

 そして、何より驚くのは、産経新聞で慰安婦報道の先頭に立っている2人の記者が自社の慰安婦報道についてほとんど把握していなかったという事実である。他社に対して“歴史戦”を挑むというなら、まずは自社の報道ぶりを検証するのが最低限の作業だろう。しかし、それどころか、阿比留記者らはまさに自分たちが批判している植村氏の記事すら、きちんと読んでいなかったようなのだ。

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