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赤とんぼ博士の事件めぐり…『Mr.サンデー』で木村太郎が学歴差別発言、宮根も同調

 前園容疑者は日本の最高学府である東京大学院を修了した農学博士でもある。優秀だと周囲も評判もよく「日本のいきもの図鑑」の編集に関わり、容疑者の妻もまた、東大大学院時代の研究パートナーだった。いわばアカデミズムの世界で生きる知識人だ。だがそれと殺人事件を起こしたこととは一体どんな関係があるのか。

 確かに法務省の矯正統計の平成25年度版を見ると、総犯罪者数約2万2700人に対し、中高卒は中退を含め半数以上を占めており、大卒は1149人、中退でも700人と割合は少ない。

 しかしその背景には、現在日本が抱える数々の問題がある。ここ10年来、社会の格差とともに子どもの貧困、格差が大きな社会問題となっている。またシングルマザー世帯の貧困も増大している。それは当然、子どもたちの教育格差に結びつくものだ。

 それを指摘しないまま、犯罪を犯したに人間が高学歴だったことを驚くだけの2人の発言は、その背景を無視し学歴を単なる個人の資質に落とし込め、さらにそれを短絡的に犯罪と結びつけたもので、単なる学歴差別そのものだ。そこには社会的弱者への眼差しや理解など皆無といっていい。

 でも、おそらくこんなことをいくら指摘しても彼らには届かないだろう。宮根は元朝日放送、木村も元NHKのエリート社員で、体制派べったり。メディアはタカ派のフジテレビ系。きっとこれが彼らの本音なのだ。
(伊勢崎馨)

最終更新:2017.12.19 10:20

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