「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)13年5月21日号
作家の村上春樹が読者の質問に直接答える期間限定ウェブサイト「村上さんのところ」を今月15日に開設し、さっそく話題になっている。
毎年10月、ノーベル文学賞の有力候補として名前があがり「村上春樹、ノーベル文学賞受賞なるか!?」と騒がれることについて質問され、「正直なところ、わりに迷惑」と答えたのである。
読者からの質問は「実際のところ、毎年「ノーベル賞がどうの」と騒がれることについていかがお考えなのでしょうか。」というもの。
これに対し春樹氏は、「競馬じゃあるまいし」と題し、「正直なところ、わりに迷惑です。だって正式な最終候補になっているわけじゃなくて、ただ民間のブックメイカーが賭け率を決めているだけですからね。競馬じゃあるまいし。」と回答したのである。
迷惑というだけでなく、「え?正式な最終候補じゃないの?」と思った方もいるかもしれない。が、実は本サイトでも、昨年10月春樹氏が受賞を逃した際に、「今年も落選!村上春樹はそもそもノーベル文学賞候補ではないとの説が!?」と題し、春樹氏が有力候補とされていることに疑問を呈していた。さらには、今後の春樹ノーベル賞の可能性についても、様々な角度から考察しているので、ご一読いただきたい。
(編集部)
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▽今年も落選!村上春樹はそもそもノーベル文学賞候補ではないとの説が!?
昨晩ノーベル文学賞が発表され、フランスの作家・パトリック・モディアノが受賞。ブックメーカーなどで有力候補とされていた、村上春樹はまたしても受賞を逃した。
2006年カフカ賞を受賞して以降、10月には毎年のように、「今年こそ村上春樹受賞なるか」と様々なメディアが大騒ぎを繰り広げている。昨日も、書店の村上春樹コーナーや、ハルキストと呼ばれる春樹ファンたちがカフェに集まり受賞の報せを待つ様子、春樹ゆかりの海外のファンの声など、今年こそはと受賞を期待する特集が展開されていた。
そして、別の作家の受賞が発表され「がっかり」……というところまでが、風物詩となっている感もある。ここまで落選が続くと、結局このまま獲れないんじゃないか、と不安になっているファンもいることだろう。