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名誉毀損で有罪判決の元「噂の真相」編集者が産経新聞問題を語る

言論弾圧は韓国だけじゃない! 日本の検察も刑事罰で批判報道を封じ込め!

 すると、1994年、宗像部長率いる東京地検特捜部が突如、「噂の真相」への捜査を開始したのである。「噂の真相」は当時、作家と評論家、2名から名誉毀損で刑事告訴されていた。名誉毀損は通常、民事裁判で争われるものだが、刑事告訴も可能で、批判記事やゴシップを書かれた政治家や芸能人が週刊誌などを刑事で告訴することもある。だが、刑法の名誉毀損は戦前に定められた条項で「言論・報道の自由」を侵害するおそれがあるため、検察は告訴を受けても起訴まではしない、それが慣例だった。

 しかも、「噂の真相」の記事はうわさ話を書き立てただけの今回の産経のコラムとは違って、作家の元秘書や評論家のスタッフなど内部の人間による告発をもとに精緻な取材をしており、どう考えても刑事上の名誉毀損が成立するようなものではなかった。

 ところが、検察はこの事件でそれまでの慣例をくつがえし、「噂の真相」を本格捜査。1995年6月、編集長の岡留安則と記事を執筆した私を名誉棄損容疑で起訴したのである。東京地検特捜部が商業メディアを起訴するのははじめてのこと。これだけでも異例だが、宗像特捜部長は捜査着手前、記事の事実関係すらまったく調べていない前年の8月の段階で、親しい司法担当記者に「『噂の真相』をやる」と宣言していた。「噂の真相」に対する捜査・起訴は明らかに、検察組織と自分のスキャンダルを書いたことへの報復、狙い撃ちだった

 その後、私たちは裁判で徹底的に検察と闘い、記事が真実であることをほぼ完全に証明したが、検察側はここでも、信じられない暴挙に出る。なんと「噂の真相」の間違いを立証することを放棄し、記事が事実かどうかにかかわらず、私生活に踏み込んでいることだけで名誉毀損罪にあたると主張したのだ。そして、裁判所もこれを追認。「一部でも私生活の行状を書けば、記事全体が名誉毀損に該当する」という恐ろしい論理で、岡留編集長に懲役8カ月執行猶予2年、私、神林に懲役5カ月執行猶予2年という判決が確定してしまった。

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