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伊坂幸太郎もキレた! 直木賞選考委員の「言いたい放題」がヒドい!

 ちなみに伊坂が直木賞の候補を辞退する以前にも、選評会が原因で横山秀夫が直木賞との“決別宣言”を行っている。第128回(02年下期)に『半落ち』(講談社)がノミネートされた際に、選考委員の北方が物語の鍵となる部分に関し疑問をもち、「関係の団体に問い合わせて見解を得、主人公の警部の動きには現実性がない」と批判。さらに林が記者会見で“欠陥にも気付かないミステリー業界も悪い”といった発言を行い、これに横山が激怒。指摘された部分を再取材した上で事実誤認ではないことを反論し、「今後、作品をゆだねる気には到底ならない」と直木賞への決別宣言にいたったのだ。

 横山も、そして伊坂も、直木賞候補となったときにはすでに世間からの評価が高い人気作家だった。彼らにとっては、選評でいちゃもんをつけられライフを削られるくらいならば“ゲームに参加しない”ほうがよっぽどマシ、だったのだろう。受賞作の売れゆきでは本屋大賞に完全にお株を奪われてしまっているが、こんなことでは、かろうじて残っている“権威”ももはや風前の灯火かもしれない。
(田岡 尼)

最終更新:2017.12.07 07:36

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