「やらなきゃ死ぬからやるのが仕事」
仕事に関する名言も多い。仕事はやりがいを求めてやるのでなく、やらないと貧乏になって死んでしまうから目の前の仕事をやるだけ。「やんなくても一生喰えるっていうぐらいの金持ってりゃ、やらないと思うんですよ」と有吉は語る。でも、そんな金はどこにもない。だから、「やっぱり生きるためには仕事するしかないです」。
「下積みが長いのはその仕事が向いていない証拠」
仕事で何かの下積みを続けている人にとっては、ドキッとする言葉だろう。「僕は世の中で一番無駄なものって『下積み』だと思うんですよね」「本当に仕事できるヤツは、もうとっくに芽が出てるよって」。この考え方は、「やらなきゃ死ぬからやるのが仕事」に通じている。つまり、仕事に無駄なロマンを求めないということだ。
「“俺なんか無理だ”と思えば楽になる」
有吉は仕事がなくて金に困っていたとき、「これじゃ結婚できねーな」「子供も養えないな」と「結構まとも」なことを考えていたのだという。考えれば考えるほど辛くなり、落ち込んではまた辛くなるの繰り返し。では、その心理状況から有吉はどうやって抜け出したのだろうか? 答えはこうだ。「『自分は普通なんだ』って思うのをやめました」。普通の人なら結婚ぐらいするだろう、自分も普通の生活ができるはずだ。しかし、その思いが自分を追い詰めている。それなら、一度楽になって吹っ切れてから、目の前の仕事に励めばいい。いつか結婚できる相手が現れたら、そのとき結婚すればいいんだから。
バブルなんかに踊らされず、過激なまでに保守的なのが有吉の強さなのだろう。逆に何かに踊らされている連中を地に足をつけたままじっと観察し、タイミングよくカウンターを放つのが有吉の芸風なのだ。
とはいえ、本人からすると「前と同じように下ネタも悪意もまきちらしてますけど、最近は勝手にみんな、いいように解釈してくれるんですね」とのこと。まさに今回の原稿のことですね。すみません。
(大山くまお)
最終更新:2018.10.18 05:23