『ひるおび!』での田崎氏と八代氏
新型コロナの感染再拡大が急速に進むなか、政府の一刻も早い対応が求められているにもかかわらず、意地でも国会を開こうとしない安倍自民党。7月30日には東京医師会会長が即刻、国会を開いて特措法改正を審議するよう要求。31日には、野党4党が憲法53条に基づき国会開催の要求を自民党に申し入れた。
しかし、自民党も官邸もあいかわらず一切国会審議に応じない姿勢をまったく変えておらず、地方自治体の首長、医療従事者、多くの国民から悲鳴と批判の声が日に日に高まっている。
ところが、安倍応援団にとってはこんな異常な職場放棄も「当然の判断」らしい。7月31日放送『ひるおび!』(TBS)で、田崎史郎氏と八代英輝弁護士がめちゃくちゃな論理で、国会なんて開く必要がないと堂々、政権を擁護したのだ。
この日の『ひるおび』では、感染が再拡大するなかでのGoToキャンペーン問題や、コロナ対応を地方自治体に丸投げし国が一向に動かない問題などが話し合われていた。そんななか、元鳥取県知事の片山善博氏が菅義偉官房長官が緊急事態宣言を再び発出する状況にないと発言したことを批判した上、こう切り出した。
「もうひとつはですね、国会開かないって言うんですね。これはね、私、開きたくないんだと思いますけど」
そして、政府が周囲から国会を開けと言われているのに、がんとして開こうとしない姿勢を、病院に行けとすすめられても、いろいろ理由をつけて病院に行こうとしない病人にたとえて、語り出した。
「たとえて言いますとね、(いまの日本は)“ちょっと体調悪いなぁ”から、だんだん悪くなったと。で、周囲の人から病院行きなさいって言われ始めたんだけど、『いやあ、血圧は高くて血糖値も高い、熱もあるんだけど、まだ頭痛はしないよね』とかね。なんかちょっと一縷いいとこだけ見出して、とにかくぐずぐずしてる。でも、(病院に)行ったときにはもう手遅れでした。こうならないようにしなきゃいけないですよね」
「国会を開いて、特別措置法はね、本当にちょっとにわか作りの議員立法なんですよ。議員立法を悪いとは言いませんけど、やっぱりちょっとね、粗っぽいところがあって、失礼ですけどずさんな、足らないとこあるんですよ。だからそれ改正しなきゃいけない。もう知事会から出てますよね。それから既存の感染症法とかも、もっと改正すれば使い勝手よくなるんですよ。そういうことを早くやらなきゃいけないんですけど、とにかく国会開きたくない。開かないための理屈をいろいろ屁理屈をこねている。そんな状態で、手遅れにならないようにと私は思います」
何から何まで、片山氏の言うとおりだろう。安倍政権や自民党はようするに、国会を開いて、不手際や不正を追及されたくないために、「感染はまだたいしたことない」だの何だのと屁理屈をこねているにすぎない。
この片山氏の発言にはM Cの恵俊彰も同調し、田崎氏にそれでも国の方針は変わりないかと田崎氏に問うたのだが、呆れたのはその反応だった。
田崎氏は平然と「国の方針に変わりはないっていうのは、先ほど申し上げたように、感染者数に注目するのではなく、重症者数、ベッド数に注視しながら対策を打っていこうということですね、だからそういう意味でGoToトラベルキャンペーンも続けると。その部分のことです」と言ってのけた。
恵は、緊急事態宣言は? 県をまたぐ移動は? GoToキャンペーンの東京以外の地域の除外は? と次々質問を重ねるのだが、田崎の答えは一貫して「国の方針は変わりない」「今のところ検討してない」「提案も出てない」というもの。
感染拡大の危機も国民の声もまったく関係ないと言わんばかりの田崎の回答に恵は険しい表情で、八代弁護士に「どう思います、この国のスタンス」とふった。すると、八代弁護士はこんな驚愕の主張を展開したのだ。
「あのー、まあ、重症者とベッド数ということを基本に考えていこうという前提に立っているということであれば、私はわかります。一方で国会、本会議、衆参両院開くと一日に3億円ずつかかりますよね。ですから国会召集して開いて何を議論するんだろうということが明確にならないうちに、まだこの方針が定まらないうちに、闇雲に国会を開くよりも、その資金、別の用途に、医療資源に使ってもらうということも手でしょうし。ポイントポイントで国会開くべきだと思いますけれども、常に開いておけば、とにかく開きなさいということは、私はちょっと違うかなと」