新潮社キャンペーン中止に盟友・有本香が激怒するも、百田尚樹は…
実はキャンペーン中止が発表された際、百田の『日本国紀』(幻冬舎)の編集も手がけた盟友・有本香氏がツイッターで新潮社に対してこう激怒していた。
〈一体誰に謝っているんですか? このキャンペーン企画は100パーセント御社のプランで、著者の百田さんは「版元におまかせ」で被写体になっただけでしょ。それで傷ついた著者のイメージについての責任はどう考えているんですか? 百田さんなら少々のダメージあってもいいと思っているんですか?〉
もしかしたら、この恥ずかしいプロモーションは新潮社が勝手にやったもので、百田氏が後になってそのことを知り、激怒したため、中止になったのか。一瞬、そう思ったのだが、どうもそうでもないらしい。有本氏は続いて、こんなツイートをしていた。
〈新潮社のプロモーション企画も事後対応も最低だ。いま著者の百田さんに確認したら「炎上したらしいが、彼らも悪気でやったことやないので僕は怒らん」と寛容そのもの。では、友人の私が勝手に怒らせてもらう。まず著者を変ないじり方して、あの作品のイメージを台無しにした自覚はあるんですかね。〉
そう、百田氏はまったく怒っていないらしいのだ。実際、百田氏自身も有本氏の立腹ツイートを受けて、むしろ、新潮社をかばうようなツイートをしていた。
〈まあまあ…新潮社も悪意があったわけじゃない。善意の企画が空回りしただけ。それに、全部をお任せにしていた私のせいでもある。私は炎上慣れしてるし、少々のダメージくらいはどうということもないです〉。
もっとも、百田センセイが怒っていないのは、センセイの懐が深いから、ということではないだろう。実は、新潮社の担当者は前述した朝日新聞の取材に対し、キャンペーンは「あくまで新潮社の責任で実施しました」としているが、企画については事前に百田氏にも伝えたと説明しているのだ。
また、新潮社は9月30日にも、同じPR用アカウントで、少女マンガ風に描かれた百田氏が少女に背中から抱きつかれながら「オレに触ると炎上するで」とセリフを吐いている広告や、タピオカミルクティのタピオカの粒ひとつひとつ百田氏の顔が施された画像に「タピオカくらい流行っていい傑作」というキャッチがつけられた広告など、露悪路線の広告をアップしていたが、そこにはこんなツイートがつけられていた。
〈百田尚樹さんを主役にした『夏の騎士』の広告を制作しました!チャレンジングな表現であるにも関わらず快く引き受けてくださった百田先生、本当にどうもありがとうございました!!!〉
ようするに、ヨイショ読者感想文募集も百田氏がお墨付きを与えていたため、今さら怒るに怒れなかっただけではないか。