ワシントン・ポスト「日本は何十万人を性奴隷にし朝鮮文化を根絶やしにしようとした」
ところが、安倍政権はこの韓国との対立の沈静化を図るどころか、逆に“反韓感情”を煽動し続けた。徴用工問題で韓国の裁判所で日本企業に賠償責任を求める判決が出ると、参院選直前、消費税や年金問題などの不利な争点を隠そうと、官邸主導でその報復措置として対韓国輸出規制を決定した。
しかも、国内では御用マスコミにオフレコで“徴用工問題への対抗措置”とリークして勇ましい姿勢をPRしながら、国際社会では批判を浴びることを避けるために「対抗措置ではなく、韓国に安全保障上の不備があったから」などとゴマカシを図るという、姑息な二枚舌作戦まで展開していた。
こうした安倍政権の体質、やり口こそが最大の元凶であり、日韓対立をエスカレートさせているということに、韓国の人たちが気づき始めたのである。
いや、韓国だけではない。欧米でも安倍政権の歴史修正主義の責任を問う声がどんどん強くなっている。例えば、米紙ワシントン・ポスト11日付電子版は、「日本が過去の罪への償いを怠ったことがいかに世界経済を脅かしているか」(How Japan’s failure to atone for past sins threatens the global economy)という記事を掲載した。
記事はまず、世界のマーケットへの悪影響を指摘しながら、安倍政権の目的が徴用工問題での「報復」にあることをこう指摘する。
〈日本の動きはすでにメモリーチップの価格を急騰させており、世界のテクノロジーマーケットに恐ろしい影響を与えている。日本政府は制裁(the sanctions)の理由として安全保障上の懸念をあげているが、ほとんどの識者は、日本企業が第二次世界大戦中に強制労働させた朝鮮人に賠償金を支払うべきとした最近の判決に対する韓国への報復と見なしている。〉(訳は編集部による)
そのうえで、日本政府がいまだに戦中のアジアへの侵略行為を清算できていないことをこのように解説するのだ。
〈日韓では何十年もの間、日本がどのようにして植民地支配の過去を償うべきかについての意見がわかれてきた。過去の数々の残虐行為をきちんと考慮してこなかったことが、東アジア地域を超えた経済的影響をもたらしているのかもしれない。さらなる平和と繁栄のために、国家というものは歴史に取り組まなければならない──その歴史がどれだけ醜悪だったとしても。
第二次世界大戦の終焉とともに日本が帝国主義を放棄したそのときから、韓国のような元植民地では日本に対する根深い恨みが残り続けた。まず帝国主義の支配のもと、そして第二次世界大戦のあいだに、日本が犯した残虐行為の数々は、歴史上最も恐ろしいもののひとつだった。そこには、何十万人の“慰安婦”を性奴隷にしたことや、韓国の学童たちに日本語を教え込むことで朝鮮文化を根絶やしにしようとしたことも含まれている。〉