マイケル・ムーア「安倍もトランプみたいにおかしくなっているのかい?」
実際、マイケル・ムーア監督は、トランプ大統領と安倍首相の関係について言及し、こうも語った。
「2人が一緒にいるときはいつも、トランプは『安倍(首相)がどれだけ俺のことを好きか見てみろ』って感じだ。彼は、トランプがいかれたやつだってことは分かってるんだよね?」
「トランプは彼が大好きなんだ。なぜなら、安倍(首相)はいつもトランプにニコニコして何か贈り物をしている。確認したいんだけど、彼もおかしくなってるのかい?ってこと。トランプにあれだけ構って……。もし安倍(首相)の態度を真に受けるなら、彼はトランプを称賛し、強い指導者として憧れているように見えるね」(『NEWS23』より)
トランプに対して犬のように尻尾を振って、いつも貢ぎ物を怠らない。マイケル・ムーア監督が安倍首相に“まじかよ”という反応を見せるのも無理もない話だが、さらにこの国が「おかしくなっている」のは、その差別主義丸出しの「いかれた」トランプ大統領と「仲が良い」とアピールする安倍首相に、誰も何も突っ込まないどころか、「これで日米関係は安泰だ」「さすがは外交の安倍」などと評価する声が大きいことのほうだ。
事実、『報ステ』のインタビューでは、「君たちの総理について教えてくれよ」「安倍総理はどうなんだ? 本当にトランプの友人なのかい?」と逆取材をするマイケル・ムーア監督に対し、富川キャスターは苦笑いを浮かべるだけだった。前述したように、現実的には「ファシズムの台頭」であるにもかかわらず、それを富川キャスターが「ナショナリズムの台頭」だと述べたように、アメリカとは違う“忖度”というどうしようもなさも日本には問題としてある。
この、トランプと安倍というファシストをのさばらせてしまっているアメリカと日本の似た状況。一体、この最悪の事態をどう乗り切るべきなのか。マイケル・ムーア監督が『華氏119』のなかで訴えるのは、投票によって変えよう、ということだ。
映画のなかでも言及されているが、2016年大統領選本選での投票数はヒラリーが6600万票を集めたものの、選挙人制度によって6300万票とヒラリーよりも得票が少なかったトランプが大統領になった。しかし、このとき棄権した人は、なんと1億人。つまり、“投票へ行かない1億人が本質的には最大政党”なのだ。