6月の会見で加計学園の皆木英也相談役が「すべて理事長判断」と明言
6月の会見では、地元の記者クラブ加盟社しか会見場に入れず、『報ステ』取材班は門前払いを受けたのだが、そのとき、番組スタッフが「地元のメディアのみを中に入れるというのは理事長の意向なんですか?」と質問すると、メディア対応にあたっていた加計学園の皆木英也相談役は、さも当然であるかのようにこう答えたのだ。
「そりゃあもう、トップの判断。私が何か報道担当だからこうしろああしろじゃなしに、方針については全部、理事長の判断をもらって、この学園としての意思としてやらせてもらっています」
さらに「こういう会見のかたちは理事長が判断されるんですか?」という質問にも、皆木相談役はこのように胸を張って答えた。
「そりゃそうです。うちは法人ですから、それだけ権限を下に下ろしておりません。すべて、こういう大きな重要なことは、すべて理事長判断をいただいております」
加計理事長がすべての判断をおこなっている──。たしかに、今回の会見でも、加計理事長はひとり悪びれることもなく平然としており、同席していた上田剛久・岡山理科大学事務局長に睨みをきかせるように目配せを何度もおこなっていた。その様子からは、事務局長に獣医学部新設を任せきるような裁量を加計理事長が与えているようには、まったく見えなかった。
「理事長がトップで、あとはみんな兵隊」という職員の証言といい、渡邉前事務局長が独断で「安倍首相との面談」という国家を揺るがす嘘をでっち上げたり、首相官邸への度重なる訪問を加計理事長に報告もしなかったなんて、まずもって「あり得ない」のだ。
このように、掘り下げればいくらでも加計理事長による会見の矛盾や疑問が次々に湧いて出てくるが、こうして独自の視点を織り交ぜて加計理事長の会見を報じたのは、『NEWS23』と『報ステ』だけ。ツッコミどころは満載なのにワイドショーもことごとくスルーし、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)がわずかに触れた程度だ。