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暴挙! 安倍政権が「働き方」法案を強行採決、今日もデータのデタラメ発覚したのに! 安倍首相は経団連と祝杯

 実際、安倍首相は、「悲劇を二度と繰り返さない」と何度も口にしてきたのに、「過労死を防ごう」という姿勢がまったく見られない。

 安倍首相は昨年2月、過労自殺した電通の高橋まつりさんの母親と面会し、まつりさんとの思い出話を「首相は涙ぐみながら聞いた」と報じられ、長時間労働の是正を「なんとしてでもやります」と述べたという。

 ところが先日、「高プロ」強行採決が迫るなか「全国過労死を考える家族の会」が安倍首相との面談を希望すると、安倍首相はこれを拒否。23日におこなわれた衆院厚労委員会では、過労死遺族が傍聴するなか、国民民主党の柚木道義議員が「直接、安倍総理とお会いしたいとおっしゃっているんです。加計理事長と同じ15分でも、せめて15分でも会えないんですか」と安倍首相に訴えた。

 だが、安倍首相は質問されているのに答弁に立たず、加藤厚労相が面会の話とは違う答弁をはじめる始末。その上、安倍首相は「柚木議員の話は、まるで高プロを導入すると、過労死が増えるかのごときのお話」などと言い出したのだ。家族の会も高橋まつりさんの母親も、過労死防止に逆行するとして高プロ創設に反対を表明しているなかで、である。

 つまり、安倍首相は、高橋まつりさんの過労自殺を「働き方改革」の宣伝として使い倒し、時間外労働の上限規制と高プロ創設をセットにすることで本質をはぐらかした。過労で死に追い詰められたまつりさんの事件を、過労を合法化するために利用したのだ。そして、そのことに批判が高まると、面会を拒絶する──「人でなし」としか言いようがないだろう。

 しかも、こうした安倍首相の冷酷さは、家族の会との面会を拒否した23日の行動によく表れている。首相動静によると、この日の夜、安倍首相は18時28分から20時51分まで、銀座の料亭「東京吉兆」で、経団連の今井敬、御手洗冨士夫・両名誉会長らと会食をおこなったのである。

 そもそも高プロの創設は経団連の宿願だ。2005年には高プロの前身であるホワイトカラーエグゼンプションの創設を提言したが、これを執拗に求めてきたのが御手洗名誉会長だ。この夜、高プロの創設が目前に近づき、安倍首相はその報告をかねて、経団連のお歴々と祝杯をあげたことは想像に難しくない。

 そして、忘れてはいけないのは、その経団連は当初、高プロの対象を「年収400 万円以上」と提言していたことだ。現在の案では「年収1075万円以上」となっているが、2015年に塩崎恭久厚労相(当時)が経済界の会合で「(法案は)小さく産んで大きく育てる。とりあえず通すことだ」などと述べていたように、法案を通したあとに年収要件や対象職種が拡大していくことは必至。いずれはすべての人が“働かされ放題”になろうとしているのだ。

 きょうの衆院本会議では、委員会採決を延期にもち込もうとして、立憲民主党の西村智奈美議員が2時間を超えるフィリバスターを決行した。しかも、その中身はたんなる引き延ばしなどではなく、この間の審議がいかに不十分か、問題点を政府がいかに無視してきたかをひとつひとつ浮き彫りにしていくものだった。今国会で通してしまえるような法案では、まったくないのだ。

 今後、衆院本会議に法案は送られ、参院での審議がはじまるが、この法案がどれほど重大な危険性を孕んでいるのかをアピールして世論を盛り上げる必要がある。廃案しかない。

最終更新:2018.05.25 06:17

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