安倍首相が小池百合子にラブコール「改憲で協力したい」
無論、安倍首相もそうしたことをすでに見越している。実際、解散発表をした25日夜に出演したNHKの『ニュースウオッチ9』でも、「与党だけで憲法改正の発議ができるとは考えておらず、多くの党の賛成を得たい。東京都の小池知事も、日本維新の会も憲法改正には前向きだと思う」と発言し、改憲を目指して協力していくことに前向きな姿勢を見せている。
小池も同様だ。表向きには「憲法改正は9条にとどまらない」などと安倍首相との違いを強調しているが、改憲に向けた姿勢はまったく同じ。事実、小池は自民党で下野時代の2012年、〈自民党の「憲法改正草案」を丸のみすべし〉とTwitterに投稿。平和主義も、基本的人権も、国民主権もなくして独裁を許す憲法に書き換えたいという欲望は、安倍と何も変わらないのである。
このように、小池に乗っかって踊るということは、結局は安倍首相を倒すどころか、問題にすべき問題をなかったことにし、悪政に対する責任もとらせないことになる。
いや、安倍首相だけではない。明日、小池代表は大阪府の松井一郎知事と愛知県の大村秀章知事との会談で衆院選での連携を打ち出す見込みだが、松井知事といえば森友問題における説明責任をまったく果たしていない。大阪府の私学課が小学校設置の基準を満たしていないにもかかわらず審査を受け付けたことに対しても、大阪府の監査委員が疑義を呈する監査結果をまとめたばかりだ。しかし、松井知事は「改革者」ヅラして小池旋風にあやかろうというのである。
あらゆる問題を消し去り、なかったことにしようとする。まさに小池百合子は「安倍首相のアシスト役」であり、その存在自体が「争点隠し」なのである。倒すべき敵であるはずの安倍首相こそが、いまこの瞬間、笑みを浮かべているであろうことを、わたしたちは想像しなければならない。
(編集部)
最終更新:2017.09.29 11:52