テレビ朝日『朝まで生テレビ!』(8月11日放送回より)/右・上念司Twitterアカウントより
北朝鮮のミサイル発射・核実験実施で一気に緊張感が高まった朝鮮半島情勢。しかし、ネット上ではこの状況に危機感をもつどころか、大はしゃぎで北朝鮮への先制攻撃を煽り立てる暴論が噴出している。
「今こそ、北朝鮮を叩きつぶす時だ!」
「北朝鮮とアメリカじゃアメリカの圧勝」
「とにかく早く北朝鮮を滅ぼしてください、半島のヒトモドキ共を根絶やしにしてください」
「北朝鮮のような小国は、核を使わずとも、北朝鮮本土爆撃で焦土と化す!」
「北朝鮮なんてアメリカ怒らせたら一発でボカーン」
しかも、連中は戦争の先導だけでなく、対話や戦争回避への努力を訴える意見に対して、ことごとく「お花畑思考だ」「こんな危機が迫っているのに頭大丈夫か」「現実を直視しろ」などと攻撃を仕掛けている。リベラル派のメディアやコメンテーター、野党はもちろん、ドイツのメルケル首相や仲裁に動くと言っているスイスのロイトハルト大統領に対してまで、同様の悪罵を投げつけているのだ。
しかし、言うまでもないが、お花畑思考に陥っているのは「北朝鮮なんて一発で壊滅できる」「さっさとやっちまえ」などとがなり立てているネトウヨ連中のほうだ。こいつらこそ、まったく現実が見えていない。
北朝鮮は、ソウルを射程におさめた600門を超える長距離砲とロケット砲を国境線付近に配備している。もし、アメリカが北朝鮮を先制攻撃したら、北朝鮮は一斉にこれらのロケット砲を約1000万人が住むソウルに撃ち込んでくるだろう。
韓国だけではない。日本を射程に中距離ミサイル「ノドン」を200発以上保有しており、こうしたミサイルを一斉に日本の在日米軍基地やその周辺に向けて発射するはずだ。対して日本はイージス艦のSM-3やPAC3で迎撃すると言っているが、全て撃ち落とすことは不可能だし、ノドンは移動式の発射台から発射できるので、敵基地攻撃を議論しても意味がない。