上・自由民主党HPより/下・下村博文公式WEBより
下村博文元文科相が計200万円を受け取っていたことが発覚し、疑惑がよりいっそう深まった加計学園問題。10日発売の「文藝春秋」(文藝春秋)では下村元文科相と加計学園の関係についての続報が出るといい、早くも注目が集まっている。
実際、今回の下村元文科相の問題は、真相究明の上でひとつの突破口になる可能性は高い。というのも、これまでは「総理のご意向」という“忖度”が働いていたことが内部文書などによってあきらかになっていたが、下村元文科相の200万円問題によって、異常な便宜の裏に有力政治家とカネが絡んでいたことがわかってきたからだ。
しかも、カネ絡みの疑惑が浮上しているのは、下村元文科相だけではない。自民党議員の親族企業が、新設される獣医学部の建設を高額受注していたという問題が浮上しているのだ。
あらためておさらいしておくと、今治市は岡山理科大学獣医学部のため約37億円の土地を無償譲渡、さらに建設費96億円を愛媛県とともに補助。市は最大64億円を負担する予定だ。そして、施設などの設計を請け負っているのは加計学園グループであるSID創研であり、施行は大本組と岡山市のアイサワ工業が受注している。このアイサワ工業というのが、岡山一区を選挙区とする自民党・逢沢一郎衆院議員の従兄が経営する会社なのである。
この疑惑を追いかけている「週刊朝日」(朝日新聞出版)によると、逢沢議員は加計学園の国際交流局の顧問を30年ほど務める関係にあり、一方、アイサワ工業は2015年に逢沢議員の政治団体に750万円を寄付。自民党の政治資金団体にも30万円を寄付しているという。
その上、毎日新聞6月23日付の記事では、獣医学部新設の事業者が加計学園に決定した今年1月より前の昨年12月の段階で、工事の元請けは地元業者でと陳情した市の建設業協会役員に対し、今治市の菅良二市長が〈岡山市に本店がある建設会社の名前を挙げ、元請けではなく下請けを前提に「そこに行ったらどうか」と促した〉とある。つまり、加計学園が事業者に決定する以前から、市長はアイサワ工業が工事を請け負うことを知っていた可能性があるのだ。