子どもでも言わない陰謀論で反論、萩生田官房副長官の大嘘の数々
まったく茶番という他ない。そもそも、松野文科相は、今朝の段階では、文書の存在そのものだけでなく、文書に記された2015年10月21日に、文科省高等教育局の常盤豊局長が萩生田官房副長官に対し「国家戦略特区における獣医学部の新設問題の課題や調整状況について説明し、相談をしていた」ことも認めていたのだ。にもかかわらず、「専門教育課の担当官が萩生田副長官の発言や高等教育局長の説明内容に、関係者から聴取した周辺情報等を補足して取りまとめた」「高等教育局長からも、副長官から指示があったということではないとの報告を受けている」とし、作成した担当官の“まとめ文書”だと釈明したのだ。
そんなわけがないだろう。文書のタイトルは「10/21萩生田副長官ご発言概要」であり、文書自体も「内閣府や和泉総理補佐官と話した」「愛媛県は〜と言っている」「自信がありそうだった」「農水省が獣医師会押さえないとね」などと主語が省略された文体になっている。これはタイトルが示す通り「萩生田副長官の発言」が大前提になっているからであって、とても「周辺情報等を補足」している内容ではない。
また、萩生田官房副長官は先週に発覚した内閣府から文科省に送られたメールでも、「広域的に」「限り」という事実上の「京都産業大学外し」を指示した人物として明確に名指しされていた。
このときも、萩生田官房副長官は全面否定し、官邸および内閣府の山本幸三地方創生相も“文科省から出向したスパイの仕業”などと擁護していたが、萩生田官房副長官といえば、つい先日の国会で、加計学園の加計孝太郎理事長と安倍首相の友人関係を「今回の報道まで知らなかった」と言い張ったにもかかわらず、安倍首相の別荘で、安倍首相、加計理事長と3人で仲良くバーベキューを楽しんでいたことが発覚した大うそつきである。そんな人物の言い分をどうして信じられるというのか。
一方、文科省から出てきている文書は逆に、後になって次々とその信憑性が裏付けられている。たとえば、今治市が公開した資料でも、国家戦略特区に今治市が指定される前から官邸が今治市職員と面談を行ったり、内閣府と何度も打ち合わせ「2018年4月開学」を前提に話を進めてきた過程が明らかになっているが、これらの事実と、文科省から出てきた文書は内容的にまったく齟齬がなかった。
こうした経緯を見れば、萩生田官房副長官と文科省、どちらが嘘をついているかは、もはや明々白々なのである。