自由民主党HPより
マスコミは森友学園問題に集中しているが、安倍政権は他にもこの国会で徹底追及されなければならないことが山積みだ。そのひとつが、自衛隊の南スーダンPKO派遣をめぐる問題だ。先週、当初防衛省が破棄したとしていた南スーダンでの日報が、統合幕僚監部だけなく、陸上自衛隊内部にも保存されていたことが発覚。稲田朋美防衛相は保管の事実を知らなかったというが、これはもう完全にシビリアンコントロールが機能していないことの証左。稲田防衛相は即刻辞任すべきだろう。
いや、稲田防衛相だけではない。安倍晋三首相にも任命責任はもちろん、そもそも事実を隠してPKO派遣を続け、昨年11月、安保法の実績づくりのために駆け付け警護を付与した責任は重大だ。しかも、安倍首相は、ここにきて、自衛隊のPKO撤収を突然発表した。もちろん、違法の疑いが強いPKO派遣の撤退は当然だが、これは森友学園絡みの支持率低下対策でしかない。「昨年9月から撤収を検討していた」(安倍首相)とは矛盾も甚だしく、国民が納得する説明は皆無だ。
安倍首相は政治的野心のために振り回され続ける現地の自衛隊員たちを、いったいなんだと思っているのか。つまるところ、この宰相にとって、自衛隊というのは私的な“マッチョ願望”を成就させる政治的玩具でしかないのではないか。とくに、今月19日に行われた防衛大学校の卒業式での安倍首相の訓示を見れば、安倍が自衛隊を“私物化”しているのは間違いないだろう。
実は安倍首相は、昨年の防衛大卒業式でも、わずか十数分のスピーチの間に4回も自らを「最高指揮官」と誇らしげに呼んでいた。が、今年はこれをさらに増やし、実に6回も自分は「最高指揮官」であると繰り返した。しかも、心底恐怖を感じざるを得ないのは、こんなセリフを口にしたことだ。
「警戒監視や情報収集に当たる部隊は、私の目であり耳であります」
「つまり、最前線の現場にあって指揮をとる諸君と、最高指揮官である私との意思疎通の円滑さ、紐帯の強さが、我が国の安全に直結する。日本の国益につながっています」
「そして将来、諸君の中から最高指揮官たる内閣総理大臣の片腕となって、その重要な意思決定を支える人材が出てきてくれる日を楽しみにしています」
自衛隊員に向かって恥ずかしげもなく「私とのつながりの強さ」が安全の基準だと断言し、「私の目であり耳」「片腕」などとのたまう。「国民の」ではなく「私の」と言明しているのがポイントで、これこそまさに、安倍晋三が自衛隊を私兵として見ていることの証明だろう。