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トランプの入国禁止令めぐり安倍首相が“米国のポチ”ぶり全開! 首脳会談後に起きる恐怖のシナリオ

 いずれにしても、トランプの入国禁止措置や難民受け入れ凍結の大統領令はテロの防止どころか、逆に、人々の排斥感情や極右思想を正当化させ、民族主義的・差別主義的意識によるテロリズムを誘発するものだ。同盟国といえども、いや、同盟国だからこそこの間違った政策をきちんと諌め、撤回を提言すべきだろう。

 実際、各国の首脳からは批判が相次いでいる。たとえばドイツのメルケル首相は「テロとの戦いは、人を出身や信仰でひとくくりにして疑うことを正当化しないと確信している」としてトランプへの拒絶感を明確にし、フランスのオランド大統領は先月28日の電話会談で「難民保護の原則を無視すれば世界の民主主義を守ることが困難になる」と直接批判。カナダのトルドー首相は「迫害やテロ、戦争から逃れてきた方々へ、カナダ人はあなたの信仰にかかわらず歓迎します。多様性は私たちの強みです」とツイートし、大統領令の影響でアメリカに入国できない人たちの一時的なカナダ滞在を許可する方針を打ち出した。

 ところが、安倍首相は前述のように、この大統領令に対し言及を避け、「コメントする立場にない」「コメントすることは差し控えたい」などと逃げまわっているのだ。まさに「アメリカ様の言うことにはさからえない」というポチ体質丸出し。よくもまあこれで「戦後レジームからの脱却」などといえたものである。

 安倍とトランプは今月10日に会談が予定されており、その際に在日米軍の駐留費用負担増や米国に二国間の通商協定を要求してくると予想されている。この調子では、安倍がトランプの要求にほとんど抵抗せず、丸呑みしてしまう可能性はかなり高い。排外主義政策についても、安倍首相はもともとトランプと共通する反民主主義・ヘイト志向をもっており、むしろ嬉々として追従するだろう。

 しかも、恐ろしいのは、日本の社会にはその動きを抑止する力がほとんどなくなってしまっていることだ。

 米国はたしかにトランプという狂犬を大統領にしてしまったが、一方では、言論の自由も三権分立も機能している。メディアや国民は一斉に批判の声をあげ、企業の経営者たちも「われわれが支持する政策ではない」(Apple社CEOティム・クック)などとメッセージを発し、懸念を表明。ニューヨークの米連邦地裁は、空港で拘束されたイラク人男性2名の解放などを求めた訴訟に関して、有効なビザ保有者や入国を法的に認められた個人についての強制送還の停止を命じる決定を下した。また15の州と首都ワシントンの司法長官が連名で「違憲で違法」とする共同声明を出し、ワシントンは連邦裁判所に提訴することを明らかにした。

 さらに、国務省内部でも「この禁止令は目的を達せず、逆効果になる」「イスラム圏の大半や指定7カ国との関係が直ちに悪化する」とする大統領令への抗議文書が回覧され、広い支持を集めている。

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