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玄関を開けると蛆の大群が…不動産管理業者や特殊清掃業者が語る「孤独死」が起きた部屋の悲惨な状況

 そのような現場をたくさん見てきた佐藤氏だったが、立ち会っていて一番つらいのが自殺の現場だという。自殺の方法で最も多いのが首吊りによる自殺なのだが、そこでは苦悶の表情で亡くなっている遺体を見ることもある。

「首吊りは、頸動脈の締まり方によっては、苦しんでいる人もいるんですよ。左右の頸動脈が、両方一気に締まればいいんだけど、片方だけ締まったりすると片方は血が流れているから、なかなか、死ねない。それは苦しいと思います。だから、首吊りで亡くなった人の顔を見ていると、顔が安らかな場合と、苦しそうな顔の2種類があるよね」

 不動産管理会社や警察官などが孤独に亡くなった死体を発見した後、それを片付けるのは、特殊清掃業者の人たちだ。ただ、腐敗した死体が放置された部屋を元通りに戻すのは容易な作業ではない。一般の清掃業者が入っても、結局汚れも臭いも落としきれないことは多々ある。そういう時に活躍するのが、「特殊清掃業者」なのである。

 前掲書のなかでは、遺品整理や特殊清掃を請け負う、ダイウン株式会社の山本直嵩氏がインタビューに応え、知られざる特殊清掃の仕事について語っている。

 特殊清掃にあたり、まず必要なのが、防毒マスクと防護服。遺体が放置され腐敗してしまった現場の臭いは防毒マスクが必要なほど強いものであるということである。また、防護服は特に大切で、遺体から流れ出た体液にみだりに触れてしまえば感染症の危険性もある。

 そして、問題の部屋に入り、一番始めにするのが、殺虫剤の散布だと言う。

「部屋に入ると、軽く500匹ぐらいのハエがいることがあります。その場合は、まず殺虫剤を空気中に撒いて、ハエを殺していきます。ハエは殺虫剤を撒けば、一度はバーッと飛び上がるんですが、徐々に落ちていきます。それでも100%は死なないので、作業中に殺虫剤がかかっていない虫が飛んでいたりというのはありますね。それでも、脱臭機を回収する頃には全部落ちていますね。蛆の場合は、ホウキで掃いて集めて、ちり取りで取るんですけど、すごい量の時があるんです。それをすべてかき集めてゴミ袋に入れていきます」

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