「エスワンナンバーワンスタイル」公式サイトより
先月11日、大手AVプロダクション・マークスジャパンの元社長ら3人が、「グラビアモデル」として契約したはずの女性にAV出演を強要し、女性がそれを拒否すると「違約金を払え」「親に請求書を送る」などと脅して、さらに出演強要を行ったとし、労働者派遣法違反容疑で逮捕された。この件は、7月1日に略式起訴され、同日、3人に罰金100万~60万円、マークスジャパン社に罰金100万円の略式命令を出されたが、AV業界をめぐる問題はこれで幕引きになったわけではない。
NGO団体のヒューマンライツ・ナウはこういった手口によるAV出演強要が業界内で横行していることを以前から指摘しており、今年3月に発表した報告書ではAV出演をめぐるトラブルの相談件数が2012年からの4年間の間に93件もあったと指摘されている。こうした事情を鑑み、内閣府は「AV出演強要についての実態把握に努める」旨の答弁書を閣議決定。ヒューマンライツ・ナウの報告書に出てくるような事例は、ごく一部の悪徳なメーカーやプロダクションに限った話で、現在の健全化が進んだAV業界ではかなり特殊なケースであるとの反論も出ているが、今後もこの件をめぐる議論はしばらく続いていくことだろう。
そんななか、有名AV女優の香西咲氏が「週刊文春」(文藝春秋)16年7月14日号(「週刊文春デジタル」リンク)にて、自分もAVデビュー時に出演強要にあっていたことを告白。その卑劣な手口を明かし話題となっている。
08年よりレースクイーンやモデルなどタレント活動をしていた香西氏だったが、10年夏、五反田の駅前でAVとは無関係を装ったスカウトに声をかけられたのをきっかけにこのトラブルの幕が上がる。ちょうど、前の所属事務所が解散してしまいフリーの状態だった香西氏は話だけでも聞くことに。そこで引き合わされたのが、投資会社という触れ込みのマークスインベストメント・青木亮社長だった。
青木氏は香西氏と会うなり、いきなりこうまくしたてたと言う。
「面会した青木は、『俺なら君を売り出すのに、まずはストーリー仕立てのイメージDVD三本セットを発売して、芸能活動のフックにする』と持論を展開しました。肌の露出は『背中が見える程度』だと」(前掲「週刊文春」より。以下同)