小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

震災報道で原発をタブーにするテレビ局の実態! 学者の警告を遮るフジと日テレ、中央構造線に触れないNHK

fujitv_01_150402.jpg
フジテレビジョン公式サイトより


 先日25日、本サイトではNHKの籾井勝人会長が、熊本大地震の原発への影響について“政府の公式発表以外は報道しないように”と指示していたことをお伝えしたが、新たに、同じ席上で籾井会長が「いろいろある専門家の見解を伝えても、いたずらに不安をかき立てる」とも発言していたことを、27日付の朝日新聞が報道した。

 もし籾井会長の考え通りに報道がなされれば、福島第一原発事故のときのように爆発が起きたことが明白でも、政府が発表するまでは何も伝えることができなくなる。さらに、この国では数少ないが、良識ある専門家が原発の危険性や正しい身の守り方を伝えることもできなくなる。つまり、公共放送のトップが現場に「報道は捨てろ」と命じたに等しいものだ。

 だが、NHKの報道ではこれが現実になっている。今回の大地震では北東、南西にと地震が頻発し、未知の断層も出現。あらゆる専門家たちが予断を許さない状態であると警鐘を鳴らすと同時に、本州から九州を貫く中央構造線断層帯の問題がクローズアップされている。そして、この中央構造線上にあるのが愛媛県伊方原発であり、中央構造線の延長線上近くにあるのが鹿児島県川内原発だ。また、川内原発については、近くに甑断層帯、市来断層帯という二つの活断層があるうえ、 原子炉直下に未知の断層帯があると指摘する地質学者もいる。

 しかし、NHKはこの間、こうした原発の問題をまったく報じていないのだ。いや、問題はNHKだけではない。民放もまた「原発」という二文字をタブー視し、いま起こっている危険を報じようとしない。

 14日の地震発生時からネット上では稼働中の川内原発に不安の声が数多くあがっていたが、そうした危機感は16日未明の“本震”によって拡大。その原因は、震源地が予測不能な動きを見せているためだ。とくに本震から週が明けた18日には多くの報道・情報番組が、前述した中央構造線を取り上げるようになったが、その際、もっとも懸念されるはずの原発の問題がほとんど掘り下げられなかった。否、専門家が指摘を行っても、司会者によって掻き消されていったのだ。

 たとえば、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)では、1596年9月1日に慶長伊予地震が、その3日後に慶長豊後地震が中央構造線上で起きていることを説明し、笠原順三・東京大学名誉教授が“その上に伊方原発がある”と指摘。「非常に心配な場所」と解説したが、番組MCの安藤優子氏は「わたしたちは経験したことがない地震と向き合っているんだなあと」と感想を述べるに留まり、笠原教授が心配だと言及した原発には一切、触れようとはしなかった。

 もっとタチが悪かったのは、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)だ。専門家ゲストの武蔵野学院大学・島村英紀教授は、今後、大きな地震が発生する可能性が高まっている北東の先に伊方原発が、南西に川内原発があると指摘し、「(それらの場所に)どれほどのエネルギーが溜まっているかはわからない」とした。だが番組は、まるでこの指摘を打ち消すかのように、原子力規制委員会・田中俊一委員長が川内原発の運転を「安全上の問題があるとは思えない」としたコメントを紹介。そして、司会の宮根誠司は「(原子力規制委の)専門家の方の意見だから信じるしかないし、わからない」とまとめたのだ。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する