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外務省が生長の家系トンデモ極右学者のいいなりに! 南京大虐殺否定に続き東京裁判見直しを世界に発信?

 高橋氏の思想がどんなものであるか、それは彼の経歴を振り返っただけで一目瞭然だ。高橋氏は早稲田大学在学中に「生長の家」の青年組織「学生会青年総連合」に所属し、さらに現在の日本会議の事務局となっている「日本青年協議会」と、その下部組織にあたる「日本教育研究所」の結成に大きく関わり、初代事務局長や副所長を務めている(岩波書店「世界」2005年3月号/俵義文「埼玉県・新教育委員高橋史朗氏とは何者か」)。

〈日本青年協議会は「天皇中心の新体制国家の形成を期することを目的にし、大日本帝国憲法体制に原点回帰を目指す」(『右翼・民族派事典』)という方針を掲げる正真正銘の右翼組織であり、高橋氏は青年教員や教育系学生を右翼活動に引き込む指導者だった〉(同前「世界」より引用)

 高橋氏のこの“皇国史観”は、その後、さまざまな活動に発展していく。高橋氏は、統一教会と政界をつなぐ役割を果たした「国際勝共連合」が90年代初頭に展開した純潔教育運動にも関係し、「結婚前の純潔」などを強調、当時、学校で使用されていた性教育の副読本を燃やす場面がおさめられた性教育バッシングのビデオにも出演している。だが、その名が一気に注目を集めたのは、99年に「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長に就任し、南京大虐殺や従軍慰安婦といった戦争犯罪の記述を「自虐史観」として糾弾する運動を拡大させたことにある。

 言ってみれば、高橋氏は現在のネトウヨに流れる歴史修正主義の源流をつくり出した張本人ともいえるが、当時、高橋氏は、日本の戦争責任を矮小化し、〈相手側の主張する論理や歴史観によって、わが国の「侵略戦争」の非だけが一方的に断罪される理由はない〉(徳間書店『新しい歴史教科書「つくる会」の主張』西尾幹二・編/2001年)と歴史修正を正当化。さらにこんなことまで言ってのけている。

〈歴史教育はどうあるべきか。古代史の始まりに、考古学的事実と並べて、それとは別に、神話や古代歌謡の世界をもう一つの歴史として子供たちに教える必要がある。歴史は神話でもなければ科学でもない。(略)
 しかるにわが国では戦後、歴史は科学であるとして、普遍的客観的事実から成り立つ動かない世界という前提に固執した〉
〈歴史は科学であるよりも、むしろ文学に境を接している。歴史教育を社会経済史の奴隷にせず、人間のドラマとして自己回復させる必要がある。つまり、歴史教育には物語性が回復されなければならない〉(つくる会「教育過程審議会への要望書」1997年)

 この“歴史は科学ではない”宣言は、学術的実証性の軽視、歴史修正上等の精神を象徴するものだが、よって慰安婦問題についても〈義務教育の教科書において自国の立場で史実を選択するのは当然のこと〉〈「歴史的事実」だから中学校教科書に記述すべきだという主張は根本的に間違っている〉(幻冬舎『新しい日本の歴史が始まる』新しい歴史教科書をつくる会・編/97年)と見事に開き直っている。

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