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本日発表! 芥川賞の大本命はやはり又吉直樹『火花』だった! あの選考委員がイチ押しで…

 たとえば、先月6月18日に『アメトーーク!』(テレビ朝日)で「読書芸人」第二弾が放送されたが、ここで又吉が推薦した中村文則の小説『教団X』(集英社)が放送直後からバカ売れ。こうした効果を又吉はこれまでも数々と生み出し、結果、本の帯や解説の依頼が殺到し、雑誌でも対談やインタビュー、エッセイ、連載とフル回転。ここ数年、出版界は“神様、仏様、又吉様”状態だ。

 現に、今年に入ってからも、3月に出版された北村薫の小説『太宰治の辞書』(新潮社)には又吉が登場し、4月刊行の中村文則『王国』(河出書房新社)文庫版で解説を執筆。さらに、「名探偵コナンムック 探偵女子」(小学館)には短編小説を寄稿、雑誌「an・an」(マガジンハウス)「ダ・ヴィンチ」(KADOKAWA/メディアファクトリー)などが又吉の特集を行っている。しかも「an・an」は、本の特集だというのに又吉の相方である綾部祐二もセットでねじ込まれ、書店で本を選ぶという企画では活字をまったく読まない綾部が苦し紛れに八千草薫の写真集やイームズのカタログを選ぶという珍妙な事態も発生していた。それでも、どの出版社も“又吉”という看板が欲しいのだ。

 それは、芥川賞にしたって同じだ。前述した第146回(11年下半期)における田中慎弥の「もらっといてやる」発言の石原慎太郎ディスや、第148回(12年下半期)の黒田夏子の75歳史上最高齢受賞以来、話題性という面では乏しい結果が続いている。他方、受賞はしなかったのに、先日の三島賞は又吉がノミネートされたというだけで大きく取り上げられた。地味さは否めない三島賞でさえ、である。芥川賞の勃興のためにも、出版界の起爆剤にするためにも、ここは又吉に受賞させて是が非でも大きな話題にしたい。──これはもはや出版界全体の総意だ。

 というわけで、余程の波乱がない限り、順当にいけば又吉の芥川賞受賞の可能性はかなり高い。少なくとも、又吉を中心に選考の議論が展開されることはまちがいないだろう。

 ついでに、直木賞にも触れておこう。こちらも、『ゆれる』『ディア・ドクター』などの作品で知られる映画監督・西川美和の『永い言い訳』(文藝春秋)が本命視されているという。今回は、芥川賞、直木賞ともに、異業種からの受賞という結果になりそうだ。
(田岡 尼)

最終更新:2015.07.16 08:04

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